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ヘルシーバス松の湯で隠れるも……

阪神電車は、その名前の通りに大阪と神戸を結ぶ電車で、かの甲子園球場の沿線であり、阪神タイガース戦が開催される日や、高校野球が開催されている期間中は大混雑することでお馴染みですが、シーズンオフはそんなこともなく、わりとまったり……。

と思いきや、実際には通勤や通学に使う人もかなり多く、まあ野球に関係なく、少なくとも大阪の梅田から神戸にかけては、だいたいいつでも混みあっています。

まあ、西淀川区の南部をカバーしているのは阪神電車の沿線だけなので、それだけに利用者も多いのでしょう。

西淀川区は、北部にも南部にも銭湯が散らばっているのですが、そのうちの中心部に位置するのが、ヘルシーバス松の湯です。

頭に「ヘルシーバス」と付いた屋号は、他にも大阪府内にいくつかあるのですが、それぞれ地域がバラバラ。施工業者が同じなのか、チェーン店のようなものだったのか、よくわかりません。

また、看板には「松の湯」と銘打たれていますが、ネット上では「松ノ湯」という表記もあり。わりと近くのJR塚本駅前には、同名の銭湯「松の湯」があるので、区別するためなのだろうか。とりあえず、看板の表記は「松の湯」なので、こちらが正式ということにします。

1階は駐車場。といっても、一部のエリアは月極駐車場で、すべてのレーンがこの銭湯の来客者用ではないので注意。

階段を上がった2階が店舗の入口ですが、その手前には、信楽焼の狸の置き物と、犬の置き物があります。レトロ系ではなく、こういうビル型の銭湯で、このような渋い置き物があるのは少しシュールだ。

内部も現代的なフロント式ですが、どことなく、バブルの残り香のようなものも感じます。

もともと番台式であったものを改築してロビーを造ったという雰囲気はまるでなく、元からこうだった様子。

いつ頃から営業されているのだろうか。ビル自体はそこそこ経年しているように見えるのだけど、かといって、50年も60年も昔から立地していたようにも見えない。

そして、自分は銭湯に限らず、このくらいの年代感のものが‪、最も好みだったりします。

築100年のレトロ銭湯、営業90周年の老舗、それも魅力的ではあるけれども、自分がいちばん刺さるのは、1980年代から1994年くらいまでの空気を感じるシロモノ。

まだ日本がバブルの風に吹かれて調子に乗りぎみだった時代の産物が、控えめにいって萌える。キュンキュンする。そもそも、自分が大阪でいちばん好きな銭湯は、1987年に改装された五色なので。

まあ実際のところ、このヘルシーバス松の湯がバブル時代に造られたものなのかどうは不明ですが。

入浴料は、大阪府の統制料金の520円より少し安い490円。これはヘルシーバス松の湯に限らず、他の西淀川区の銭湯でもそうなのですが、もしかして、西淀川区だけはなんらかの助成が下りていて、そのぶん少し安いとかなのか?

サウナは貸しバスタオル必須で+100円というよくあるスタイル。前にも別のテキストで書いたが、一般銭湯のサウナルールは店舗によって違いすぎてややこしいので、全部これにしてほしい。

貸しバスタオルは藍色。マジックで「松の湯」と書かれているハンドメイド感が良い。

浴槽は深風呂とジェットバスと電気風呂の3つというシンプルなものですが、深風呂とジェットバスには備長炭が浮かべられており、ほのかに、というか露骨に薬草の香りがする。

かつては露天風呂もあったそうですが、現在は閉鎖。いちおう中止と書いてありましたが、復活はなさそうだなあ。

節電のためなのか、照明の一部は消されているので、ちょっと浴室内は薄暗い。これは好みが分かれると思いますが、この隠れ家感は個人的には好み。

ただ、なんとなくうら淋しいというか、何かが足りないような気持ちはある。露天風呂が機能していれば、それが払拭されるだろうか。

サウナは定員4人くらいかな。昭和歌謡が延々と流れています。ここに関してはレトロ調なのか。サウナも水風呂も優しめの温度なので、ギンギンにととのうというよりも、まったりと楽しむ感じかな。

ただ、自分が滞在していた1時間弱のあいだ、サウナに入っていたのは自分だけ。他の来客は、みんな洗体してからしばらく浴槽に浸かるのみで、あまり長居することなく帰っていく。

いつのまにか、独占状態になってしまいました。

外ではポツポツと雨が降っていて、足元が悪いので、たまたま今日は来客が少ないのか、もっと遅い時間になってから客足が増える店舗なのかはわかりませんが、銭湯で独占状態になってしまうの、ちょっとテンションが上がると同時に複雑な気分になる。

かといって、あまりに混んでいたら、それはそれでイヤなのですが。

帰りの阪神電車は空いていました。遅い時間に神戸方面から大阪へと行く人は少ないのでしょう。こちらも混んでいたらうんざりするけど、電車内がガラガラなのも、それはそれで何か物足りない。

結局、どちらのほうが良いわけでも悪いわけでもなく、自分の都合でそう思っているだけなんだろうなあ。

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ぷらーな
サウナはたのしい。