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やたらと青い青山温泉で夜を過ごす

大阪市は淀川区にある三国本町には「サンティフルみくに」という商店街があります。

昭和の面影も残っていますが、今ふうのリサイクルショップやオシャレなカフェもあり、新旧混在といった感じ。レトロというほどに年季の入った印象はなく、かといってモダンというわけでもない。どちらにも振り切っていない。

つまり、ちょっと説明しがたい。

めちゃくちゃ古めかしいとか、逆にめちゃくちゃ再開発されているとかのほうが、むしろわかりやすいじゃないですか。

しかしながら、何度も訪れているものの、この商店街がどういうキャラクターなのか、いまいち掴みきれていない。

それは、この商店街の中に佇む銭湯、青山温泉についても同様のことがいえる。

青い三角の屋根が連なる洋風の建物は、一見ではまず銭湯に見えない。いちおう暖簾がかかってはいますが、かなり小さくて主張は控えめ。

そのわりには、横には各種風呂が用意されていることをギラギラと主張したネオン看板が鎮座している。目立ちたいのか目立ちたくないのか、どっちなんだ?

青い屋根の青山温泉ですが、青いのは屋根だけではありません。というか、至るところが青いです。

浴槽の底が青いのはここでなくても銭湯の定番ですが、ここは、ロッカーも風呂椅子も、浴室の壁も青い。トイレットペーパーカバーまでもが青い。

掴みどころは難しいが、とりあえず、めちゃくちゃ青が好きな銭湯だということだけはよくわかる。

サウナはバスタオルつきで100円ですが、バスタオルはよくあるオレンジ色のやつだった。いっそのこと、これも青いバスタオルにしてほしかったところ。

サウナ室は脱衣場にせり出しており、脱衣場の側からでないと入れない構造になっています。水風呂への導線は、はっきりいってかなり悪い。

のですが、実は自分はここのサウナをけっこう気に入っています。というか、ここのサウナのBGMを楽しみに来ている、といったほうが正確ですね。

銭湯のサウナで流れる音楽といえば、昭和歌謡曲や演歌が多いのですが、ここはかかる音楽の年代がランダムに替わるので、沢田研二『TOKIO』の次にいきものがかり『YELL』が流れたり、たぶん半世紀以上は前の曲であろうグループサウンズ(?)の次にヒゲダンが流れてくることがあり、常に時代を行ったり来たりしている。

サウナで汗まみれになっている最中に春夏秋冬だいすっきなことを歌われても反応に困るが、いつまで入っていても飽きない。ミニモニ。にいたハワイ人の女性は今もお元気なのだろうか。

サウナから出たタイミングで水風呂が空いているかどうかは運ゲーですが、空いていればキンキンの浴槽の中で青い小宇宙が見えます。

整いスペースなどはありませんが、半露天になっている暦風呂がまったりできます。横には備長炭風呂もあり、そちらもぬるめなのでサウナ後になかなか良き。

お客さんは基本的に近所にお住まいの方ばかりだと思われますが、他のこういった銭湯に比べて、高齢者の数が少ないような気がします。

かといって、サウナハット持参の若者サウナーもあまり見かけたことがないし、商店街の銭湯ではいないことのほうが珍しい、彫り物を召した方もほとんど見ない。客層がよくわからん。

まあ、自分もそのよくわからん客層のうちのひとりなのでしょうが、このフワフワした感じは嫌いじゃない。

三国駅のほうへと戻ります。大阪の大都会である十三駅の隣の駅ですが、位置としてはほとんど豊中市ということもあってか、あまりザワザワとはしておらず、落ち着いた住宅地です。

神崎川がすぐ近くにあり、タイミングによっては、川縁から飛行機を見ることもできます。

座るところなどはありませんが、川の近くのコンビニで角ハイボールなどを買って、そのまま歩き呑みをするのも良い。

人通りがあまりないので、歩きながら酒を呑んでいても、あまり恥ずかしくない(※当社比)。たまに夜の犬の散歩中の人とバッティングすることもありますが……。

三国から家に帰るには、大都会の十三駅を経由することになるのですが、これがなんとも歯痒い。

大都会に戻りたくねえ。三国で夜を過ごしたくなる。まあ、川しかないし、泊まれそうなところは快活CLUBくらいしかなさそうなのだが。

住めば都という言葉もあるが、本当に住んでしまうと飽きてしまって、神崎川も青山温泉も、特別なものではなくなるかもしれない。

それはなんだかもったいないけど、そんなに遠くない場所に、こういうことを思える地があるのというのも、それはそれで贅沢なことなのかもしれない。

ということにして、人でごった返す、京都河原町いきの電車に乗るのでした。

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ぷらーな
サウナはたのしい。