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こみトレでゲットしたパンティ

大阪港の近くにあるインテックス大阪では、2003年から現在までずっと、「こみっくトレジャー」というイベントが開催されています。

簡単にいえば、国内最大の同人誌即売会であるコミックマーケット、通称コミケ、の関西版みたいなもので、西日本では最大規模のオタクイベント。通称こみトレ。

自分が最初に訪れたのは2007年ごろで、それから何年かはほとんど毎回のように訪れ、同人誌やグッズを買っていました。

同人誌でよく買っていたのは、故・武田コックローチ圭史さんの、オンボロ旧車に乗りまくるシリーズ。

三菱エテルナVR-4とかマツダスクラムターボとか、そこそこ車が好きな人でも存在を忘れているような渋すぎるチョイスで、高速道路でブレーキが効かなくなったなどの危なすぎるエピソードが満載。天井に事故修復歴がある車は絶対に買ってはいけない、などのことを学びました。

あと、ある時に痛チャリを造りたいと思い立ち、『侵略!イカ娘』の巨大なデカールを入手したこともあります。

結局、あんまり使わないのに駐輪場代が嵩むのはもったいないということで、自転車そのものを手放したので痛チャリ計画は頓挫。

一緒に参加していた友人たちともだんだん疎遠になっていき、2015年に武田さんが急逝されて旧車シリーズの新刊が出なくなってしまったこともあって、もう10年くらい遠ざかっています。

が、その頃に買った本やグッズは、今でも多くが手元にあります。

当時ネット上でいろんな意味で騒がれた『けいおん!』の未来の鬱ルートを描いた同人誌の3部作は今でもたまに通読しているし、毒々しくて可愛い絵柄に一目惚れしたProject C.K.さんのイラストのステッカーはタブレットケースに貼ってある。

ただ、これらは確実に自分の意志で買ったものなのですが、後から掘り出してみると、なぜこれを買ったんだ?と思うようなものも。

イベントの空気に揉まれた状態だと財布の紐も緩むもので、普段なら、まあそこまで興味を持たないでしょうなあというものにまで手を出してしまう。

キャラクターをあんまり知らないのに(※ゆっくりしていってね!の画像は見たことがあるが、魔理沙さんとか霊夢さんとかが何者なのかは未だに知らない)なぜ東方プロジェクトのバッジがあるんだ?とか、BLに興奮するわけでもないのに(※腐女子の方のBLトークを聞くのは面白いから好き)なぜそれっぽいイラストのクリアファイルがあるんだ?とか、祭りの後のカオスが部屋に充満していく。

その中でも群を抜いて謎なのが、ゴシックな絵柄が描かれたハンカチ……、いや、よく見るとこのハンカチ、なんだか形がおかしい。四角形ではない。拡げてみると、逆三角形である。逆三角形で、布でつくられているものといえば……。

パンツである。しかも、なんだかサイズが小さい。間違いなく成人男性が履くサイズではない。成人男性がトイレでアレを出すための穴がない。

もしかしてこれ、女性用……?つまり、パンティ……?ウーロンが神龍に頼み込むほどに欲しがっていた、パンティというものなのか?ギャルの使用済みかどうかは定かではないが。

……記憶が朧気だが、あのサークルの机で見かけたときは、ハンカチだと思ったはずだ。全身を黒い衣装で固めたお姉さんの氷のような無表情だけをはっきりと覚えているのだが、もしかしてあの無表情は、「なぜこの人は男性なのにこんなパンティを買うんだろう……。変態?ヤダ」という感情の顕れだったのだろうか。

あるいは、パンティを買ってしまった事実を受け入れたくないあまり、無意識のうちに自分で記憶を改竄している可能性もゼロではない。本当はあれはハンカチではなくパンティだとわかっていたが、その場の雰囲気でなんとなく買ったのかもしれない。

その手の同人誌即売会に訪れたことのある方ならご存知だと思いますが、会場内には裸体のイラストが当たり前にたくさん羅列されています。

その裸体の女性がxxxをxxxxxする姿や、裸体の男性2人がxxxをxxxxxし合う姿がいくらでも目に入ってしまい、まともな神経だとエロと感じてしまうものもエロと感じなくなってしまう。酒に酔っている時ほど俺はまだまだ呑めると勘違いしてしまうように、エロに酔うとそんじょそこらのエロでは足りなくなる。

そこで踏み出してしまった禁断の扉が、パンティだったのかも……。うーん。こわい。あまり考えたくない。

ちなみに自分の名誉のために断っておくと、履いたことは一度もありません。でも捨ててもいません。いつか特殊なプレイをすることがあったら、勝負下着として履いてみるのも……いやいやいや。

サウナはたのしい。