はじめての鳥取
8月2日から4日にかけて、鳥取県と島根県に行ってきました。
特になんのプランもなく、1週間くらい前になんとなく「そうだ鳥取いこう」と思い立ったのです。京都いこう、でも良かったのですが京都市街は近いしどうせなら行ったことのない鳥取県へ。しかも夜から出発。夜の特急列車というものに乗ってみたかった。それだけ。
午後8時ちょうど発の特急スーパーはくとで新大阪駅を見送りました。金曜日の夜の最終便だというのに人はガラガラ。終点の鳥取駅まで乗っていた人はごくわずか。
楽しみにしていた特急の車窓からの夜景は、山ばかりだし暗いしよくわかりませんでした。残念。ビール飲んでチーズ鱈を食べていただけだった。普段と変わんねえ。
午後10時42分に鳥取駅に到着。
「しゃんしゃん傘」と呼ばれるド派手な傘が、初めて鳥取入りした自分を出迎えてくれます。鳥取にはしゃんしゃん祭りという行事があり、この傘をかぶって踊るのだそうです。左端にちょこんと座っている他言語対応の白いうさぎの影は「因幡の白うさぎ」という中国地方の神話にちなんだもの。
写真にはありませんが、駅構内にはもちろんコナンも鬼太郎もいます。初日はとりあえず宿を確保することで精一杯で余裕がなかったのです。結局ネットカフェ泊まりだったけど。
後でちゃんと調べたところ、鳥取駅前にはドロシーというローカルチェーンのネカフェがあるそうな……。こっちに泊まれば良かった。ノープランで行くとこういうことがよくある。
8月3日。結局は鳥取駅の隣の湖山駅の近くにある(といってもふつうに徒歩30分かかる)コミックバスターに泊まりました。自遊空間の方が駅に近いですが、自分はどちらかというとバスター派なのです。
午前9時36分に湖山駅を出発して5分後には鳥取駅に戻れました。乗ってしまえば早いのですが、電車が1時間に1本のペースなので逃すと待ちぼうけを食らいます。
「鳥取駅→鳥取砂丘→鳥取港」という、実にわかりやすい案内標示のバスに乗り込み、鳥取といえば……、な、あのスポットへと向かいます。乗ったバスは「ループ麒麟獅子バス」というらしいです。ひと乗り300円ですが、600円で乗り放題の1日乗車券もあるとのこと。
バスは鳥取駅前の商店街を抜け、田畑が広がる一帯を越え、アグレッシブな山道を走り終えて砂の世界の入り口へと辿り着きました。
鳥取砂丘の土産屋であり休憩所でもある砂丘センターは家族連れでいっぱいで、駐車場に停まっていた車の多くが県外ナンバーでした。正直、あんまり家族で行くスポットという印象がなかったので意外だ。
鳥取砂丘は落書き禁止。また、コスプレ撮影やドローン撮影をする場合は届け出が必要だそうです。帽子と水分を忘れないように、夏場のサンダルや裸足は火傷の恐れがあるので厳禁、といった趣旨の注意書きが入り口に書かれていました。
自分はボロボロのスニーカーで臨みました。もうすでにだいぶ履き潰したものなので、最悪ダメになっても大丈夫なやつ。結果的にこれで正解でした。めっちゃくちゃ靴の中に砂が入るので汚れます。砂丘センターに足洗い場はありますが、1回の簡単な水洗いでは取れない量の砂がこびりつく。
ここが砂丘のスタート地点。撮影用の台があるのですが、これを使うには連絡が必要で有料とのこと。鳥取砂丘はルールが多い。そして、こちら側に行く人はあんまりいない。みんな海が見える方へと向かう。
海岸まで果てしなく遠く見えますが、実際には距離はたいしたことはなく、10分も歩けば隆起している部分(通称「馬の背」)まで辿り着けます。
子供ははしゃぎ回って走っているし、老人も平然とした感じで歩いているし、足場が砂なのでバランスが取りにくいという難点はあるものの、さほどきつくはありません。……平地部分は。うん、あくまで平地部分は。
「馬の背」に差し替かってからの傾斜がエグい。海岸までめちゃくちゃ遠く見えたのは、この傾斜の角度が激しすぎることによる遠近法のせいでした。
止まれば足が砂に飲まれて深い地面に連れて行かれそうで怖いし、下手に足場を踏み外すと転びそうで怖い。焦らずにじっくりと進もうとするも、さっさとこの恐怖から解放されたい気持ちの方が勝って、後半は知らず知らずのうちに走っていました。
それでも、この日は風がほとんどなかったので、登りやすい日和だったと思います。潮風の吹く砂丘を歩くのもそれはそれで乙なものだったと思いますが。
「馬の背」の頂上からの眺め。青々とした日本海が広がります。なにげに日本海を見たのは初めてだ。
対岸に見える島は、かつて後醍醐天皇が流された隠岐諸島。けっこう大きい。あそこに流されてもそこまで悲惨な感じはしないな。まあ時代が違いすぎるけど。
みんなここで立ち止まって写真を撮り、もと来たルートに引き返します。ここから海岸までは、おそらくスタート地点からここまでの倍以上の距離があるので、体力に自信がある人でないと厳しいでしょう。
ひとりだけ、めちゃくちゃ海岸の近くまで行っていた人がいました。何者だよ。
鳥取駅に戻り、米子行きの電車へ。山陰本線の末垣駅~泊駅間は日本海スレスレの場所を走るので車窓から絶景が見られます。
絶景を見ているうちに寝てしまい、目覚めた時には電車が由良駅で特急待ちをしていました。由良駅、通称コナン駅。あの「青山剛晶ふるさと館」(コナン記念館)があるところ。
時刻は午後1時半。コナン記念館までは駅から徒歩20分。時間的には余裕だったのですが、すでに米子駅までの切符を買っていたために断念。このエリアがICOCA対応なら迷いなく下りていたのですが。もうそろそろここもIC対応しようよ。IC対応はどこでも途中下車できるというメリットがあるんですよ。
ホームだけ撮って由良駅を去りました。コナン駅の看板の横にホンダの除雪機があったんだけどなんで?
米子駅に到着。米子駅前にはイオンがあります。かなり大規模な店舗で、イオンモールを名乗っても良さそうなくらいなのですが、あくまでイオン米子駅前店らしいです。なんとなくジャスコの匂いがすると思いましたが、実際は元ビブレらしい。
帰りの高速バスの切符を買って、駅から徒歩10分ほどで行ける、米子城跡へ。
城跡の門の向こうはテニスコートでした。湊山公園という公園の敷地になっているらしい。古い資料が飾られ……というか無造作に貼り付けられていましたが、電車の時間が気になって写真は特になし。イオン米子駅前店のフードコードでボーッとしていたら結構いい時間になってしまっていたのです。
イオンとコミックバスターが好きすぎて、知らない土地で見つけるとつい長居してしまうのです。鳥取まで来てなんでイオンに行ってんのおまえ?とお思いかもしませんが、鳥取まで来てあえてイオンに行くのが良いのです。イオンモール鳥取北とイオンモール出雲とイオン松江ショッピングセンターも行きたかったです。
イオンへの想いを馳せながら出雲市行きの電車へ乗り込もうとすると、……満員電車でした。なんでも、松江水郷祭湖上花火大会というイベントが松江駅周辺であるらしく、松江へと向かう人々が続々と電車に乗ってきているとのこと。おまけに線路立ち入りによるダイヤの乱れ。
島根県入りすると決めたからにはこの電車に乗らねばならない。松江駅で下りて花火大会を見るか出雲市駅で下りて宿を確保するか迷いましたが、結局は2時間かけて終点の出雲市駅まで乗りました。ちなみに米子駅~出雲市駅間はIC対応なので途中下車可能。
はじめての島根県については次回。
コナンソーダ。もちろんというかなんというか、甘過ぎてきつかった。コナン天然水を出してほしい。