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旦那飯は韓国料理 79 / サバのピリ辛味と、モッパンASMRが好きなのか…。のはなし
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「ズルズルズルズル~」
我が家では夜中になると麺をすする音がする。
しかし、家族の誰も麺を食べていない。
音の主は長女が見ている「ASMR」音フェチ動画だ。
「ASMR」はもう説明がいらないくらいに有名だけど「音フェチ」のための大切なアイテム。
人によって心地よいと思う音は違う。鳥のさえずり、水の流れる音、たき火の音…
うちの長女の場合は咀嚼音や、麺をズルズル~と一気にすする音がたまらんらしい。
この娘「大食い」と、ひたすら食べている動画@韓国の「モッパン」が大好きなのだ。
本人は至って小食ゆえに「食べたいけど、食べられないから大食いやらモッパン見て満足する」のだそうだ。
この「モッパン」と「ASMR」が両方一緒に楽しめる「モッパンASMR」が娘の大好物だ。
時々ちらっと見るが、「よ~そんなけ食べられるなぁ~」と感心するほどの量を食べるわ、食べるわ!
しかも若くて細い女子がどこにそんなけ入るん?って思うくらいに…。
その食べっぷりに思わず「身体壊すで」とつぶやいてしまうほどだ。
娘は必ず居間で動画を見る。
実はここに、娘のささやかな作戦が繰り広げられていて、この「モッパンASMR」を我が家のシェフである旦那と一緒に見ながら「あ~あれ美味しそうやなぁ~!食べたいなぁ」と言う。
すると翌日の晩ご飯になって出てくる!
完全に長女の思惑通りである。
旦那もまんまと誘導にのってしまう。恐るべしである。
娘にはストレス解消になるのだろうが、毎日大量の麺、ご飯、韓国料理をひたすら食べる動画とズルズル~と麺をすする音を夜中に聞かされているこっちはストレスがたまるわ!
何故娘が ASMRが好きなのか…。
よくよく考えてみた。
実はこの娘、耳が悪いのだ。生まれたときから右耳が聞こえない。
だから、私たちが当たり前に聞こえている小さな音が聞こえないときもある。
幼いころは後ろから来る車の音がわからず、危険な目にあったことが何度かあった。
本人は生まれたときから片耳なので、あまり違和感は感じていないようだけど、不便は感じている。
右から話しかけられても聞こえないから返事できないときがある。
以前の職場でも、始めにそのことを話していたのに「返事しない」と言われたことがあった。
そんな娘にとって、よく聞こえる特大の音は安心するのかもしれない。
そう考えて、この前娘の耳の横で、ラーメンをすすってあげたら
「何すんねん!」
とキレられた。「いや~、ラーメンの音好きやん。近くで聞かせたあげようと思ってな」と言ったら「全然ちゃうやろが!」と言われてしまった。
生音では癒されないようだ。ASMRよこれからも長女をよろしくね!
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