私の声で
「変わった声してるね」
「その声で歌ってるとこ想像できない」
私のコンプレックスは声。
中学生に上がったころ、初めて自分の声の異質さを指摘された。
それまでは特に気にしていなかったものが、急に気になるようになった。
落ち着いてゆっくり話せば、少し高いくらいでそんなに耳障りな声ではないと思う。
でも緊張してたり、人前で大きな声を出さないといけない時は怖かった。
きっかけは、中2の時。体育祭のクラス対抗リレー。
リレーに出場するクラスメイト達を大きな声で応援していたら、
前に立っている子が耳をふさいでいた。
そのタイミングは明らかに私が声を出した時だった。
それからというもの、
自分の大きな声は人を不快にさせる、もしくはバカにされることを理解した。
高校2年生に上がると、ダンス部のキャプテンに任命された。
細かい雑務はこなせたが、部員の前で声を出すときはいつも恐怖を感じていた。
みんなが、心の中では聞き取りにくい不愉快な声だと思っているかもしれない。
そう思うと、自然と声は小さくなり、余計に聞き取りづらくなって、顧問の先生から強く叱られた。
大きな声を出すと不快な思いをさせる、でも声を張らないと先生に叱られる。
私は常に不安で、ストレスを感じていた。それは引退まで変わらなかった。
卒業式前日
引退した部活動に数人で訪れた。
練習中の作品を見た感想が欲しいと言われたので、久しぶりに声を張る機会が来たと思った。
久々な分、ちゃんと声を張らなきゃと思った私は、伝えることを意識して話した。
帰る直前、顧問の先生に呼び止められた。
「一番うまく話せてたね。伝えようとしてる姿勢が伝わってきた」
思いがけない感想に、涙が出そうになった。
声質なんて関係ない。伝える姿勢が大事なんだ。
それを引退後に理解するなんて、ダメなキャプテンだな。
それでも、私は晴れやかな気持ちだった。
今でもコンプレックスであることには変わりないけど、
人前で話すことは以前よりも怖くない。
そんな風に思えるようになってからできた目標は、
自分の声を好きになること。
そのために、この声で何かを発信していきたい。
ぷきん、stand.fmにてラジオを始めることにいたしました。(2020.9)
追記:この話を実際に私の声で話した収録をスタエフに上げました!
気になった方はぜひ、遊びに来てください💐(2023.3)