非定型精神病エッセイ漫画を公開して思ったこと
27年前に患った、非定型精神病の闘病エッセイ漫画の配信が始まって3週間ほどが経ちました。
非定型精神病とは、統合失調症と双極性障害を合わせて予後を良くしたような感じの病気だと担当の先生には言われました。
…考えてみれば、非定型精神病という病名すらあんまり認知されていないのに、頑張って描きました。
闘病エッセイ漫画を配信して、いろいろ思うことはありました。1番思ったのは、
「あれ?意外と反響ないな?」
でした。
僭越ながら、妄想・幻聴系の体験エッセイ漫画ってあんまり見かけなかったし、漫画にするのはちょっと難しい題材だと思うので、描けば、
「共感しました!」
「よく描いてくれました!」
…というような、当事者さん達の共感の声が、わ〜っと集まる…みたいな期待をしていたんですけど…
ほぼ、ないですねぇ、しーんとしてますねぇ、あれ?当事者さんっていないの?存在しないの?って思ってしまいます。
もちろん当事者さんがいないなんてことはなくて、私の漫画が届いていないか、届いても共感されてないか…なのでしょう。
妄想・幻聴系エッセイ漫画って、存在してるのかもしれないですけど、私は読んだことがなかったので、こんな感じに描くと読者さんに伝わるよ、という指針もなく、手探りで描いたので(担当さんも手探りだったと思う)完成作品としては、あんまり伝わらない作品になってしまったのかな…という後悔もあります。
描いていて思いましたが、妄想・幻聴を漫画化するのは、夜に見る夢を漫画化することに近いかな、という感じです。
夜見る夢は、見ている間は現実だし、ストーリーも起伏に富んでインパクトあるのに、
「昨夜こんな夢見てさ…」
と、他人に話しても、「ふぅん?」「それで?」と、自分の感じたハラハラを上手く伝えられない…
私の経験した妄想・幻聴を漫画にしても、上手く伝わらないのではないか…と。
妄想というモヤっとしたものを、起承転結が必要な漫画という型に落とし込むのは難しかったです。
あと、「どうせ現実じゃないんでしょ?」と思われてしまうおそれとか…
とはいえ、
「妄想怖かったです」
という声はわりといただいたので、怖さは伝わったのかな?
でも、私としては読者さんを怖がらせようと思って描いたわけではないのでちょっと複雑です…もちろん怖いと感じた体験ではあるのですが。
もちろん、すごく嬉しいレビューや感想もいただきました!ありがとうございます!
この『ある日、自分の脳から声が聞こえたら』をたくさんの方に読んでいただいて、精神疾患を抱える方、周りの方の生きづらさが少しでも解消されたら…と思っております。
またエッセイ漫画についての記事書きますね。