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言葉のちから

2年前、8歳の息子と6歳になったばかりの娘を連れて学生時代と20代後半から30代のほとんどを過ごした "私のアナザースカイ" ニュージーランドに戻ってきた。

私にとっては第2の祖国 アナザースカイだけど、子供達にとっては、全くの異国。言葉はもちろん、文化も食べ物、大好きなテレビ番組も見れない 完全に未知の国。

6歳の娘はどこか飛行機乗って遊びに行くぐらいにしか思ってなったけど、8歳の息子は日本の家や仲の良い友達とも別れて知らない異国に連れて行かれる事を理解していた。

ニュージーランド来てばかりの頃の話は、また別の機会にして、あれから早いもので2年半が過ぎ、息子は10歳、娘は8歳になりました。
そして、息子はついにニュージーランドの文化 宝、誇、象徴である "ラグビー"を始める決意をしました。

ラグビーゴールの横で立つ 息子と娘

ニュージーランド来て3年目についに息子は「ラグビーやりたい!」と決意した。そのきっかけは、やはり2020年 日本開催ラグビーワールドカップ、そしてTVドラマ「ノーサイドゲーム」だろう。

Under10に所属した。チームメイトのほとんどがラグビー歴3年~5年で、under10でも試合となると本格的なタックルやトライを決める。そんな中、ラグビーボールすら触ったことのない素人の息子をコーチは丁寧にそして誠意を持って教えて指導してくれる。毎週土曜日の試合にも、息子にとって初めての試合でも選手として出してくれた。そのお陰もあって息子は練習や試合を重ねるごとに ラグビーを好きになってくれた。

ラグビーシーズンも終わりに近づいた先週の試合後、いつものようにコーチから「MVP」とコーチが個人的にチームでやってると思われる「奮闘賞」的な発表がありその「奮闘賞」の発表コメントをそばで聞いていた私は確信した「 息子だ! 息子の事を話してくれてる」その時のコーチーの言葉。

「この選手は今年初めてラグビーを始めたばかりで、派手なプレイもしない、他の選手よりボールを触ることも少ないが、彼はいつもみんなの後ろを一緒に走りみんなをサポートしてくれてる。彼の見えないサポートはチームにとっては大きな力になっているのは間違いない。常に真剣に挑戦し続けている。その選手は健太!
おめでとう。そしてありがとう」

凄くない!!

これをまだ10歳前後の子供達にコーチが話し伝え、子供たちはコーチの言葉を聞いて息子の存在とサポートを気付かせメンバーの一員だと思わせる。

これを自然にやってしまうのが、コーチのラガーマンとして、人として素晴らしい所だと感動した。私がニュージーランド、ニュージーランド人 そしてラグビーが好きな理由の1つだと思います。

これから息子はこのチーム、このメンバーでラグビーを通して、ニュージーランドの生活からいろんな事を学び、経験していくんだろう。時にはツラい事もある。でもきっと良き仲間がいたら、困難や壁を乗り越えて前に進んで行けると思う。

私は息子の少し後を歩いて 見守って行こう。数年後、前を歩く息子が後ろを振り返り少し老いて歩くスピードが遅くなった私に手を差し出してくれるぐらい成長した日を楽しみに待ちながら‥

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