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人と違うとは【INFJ】

 随分前、姉にINFJの結果を見せた時、「確かに『自分は人とは違う』って思ってそう〜笑」と言われた。実際その通りだ。自分は人とは違うといつも感じている。私の居場所はここじゃない。

 でも「何」が?

 人と違うとよく感じるけれど、具体的にどういうところが人と違うのか、周りに合わせるために自分を殺すということに慣れすぎて、「素」とか「自分」なんて本当は無いんじゃないかと思うようになっていた。

 実は今年の初めごろに、ずっと憧れていたけど当時は条件に恵まれず応募できなかったオーディションに四年越しくらいに応募していた。ぼかして書くがいわゆる配信者の類で、受かっても親に言えるわけがないし受かるわけないと思いながらも、ちょっと私は他人と違うところがあるから尖ったこととかできるんじゃないか?そしてそれを認めてもらえるんじゃないか?という淡い期待が胸にあった。しかし実際応募フォームを入力してみると、無難で普通を狙ったような、学校のテストだったら100点満点みたいな真面目なものしか出来上がらなかった。当たり前に書類選考で不合格だった。

 その後も就活をするなかで「求められている人間像」を意図的に読み取り、私こんなんじゃないけどこういう人間が欲しいんでしょ、こんな奴いるわけないじゃん、気持ち悪と思いながら、いざ「あなたの良さは何ですか」という問いに直面した時、素直に答えようとすると思考が停止する。良さ?良さってなんだ。優しいです。真面目です。人の嫌がることはしません。絵と文章が人よりできるんじゃないかって思ってます。声を褒められることが多いです。私が話すとみんな笑ってくれます。みんな私のことが好きです。だってそうなるように振る舞ってるから。嫌われないように生きてるから。他者からの私の印象が管理できなくなる感覚が不安でしょうがないから友達が数人しかいません。その友達も許せないと思ったら一切関わらないよう全てを遮断します。実家でも気を張り詰めてます。

 犬の口のにおいを、私は限りなく黒に近い緑色だと感じていた。実家の犬も、いとこの家の犬も、同じにおい。犬種に関係なく口から同じにおいがする!ということを、半年くらいずっと温めていた。今日、いざ意気揚々と両親にそのことを伝えたが、同じにおいということより私の伝え方が気になるようだった。くさい、生き物の温度を感じる、他に何と言えばいいかわからない、だからそのまま色で伝える。深い緑の絵の具を出した時、ほとんど黒で周りに薄く緑の液体が分離したように出てくる、そんな感じのにおい。けどお母さんに「色?絵の具ににおいがあるってこと?」と、不思議がられ、色とにおいが結びつくのが意味不明すぎたのか最終的には大笑いされてしまった。これまでの人生で母に生きづらさみたいなものを相談しても、圧倒的に「みんなそうだよ」と言われることの方が多かったから、そんな人が未知の感覚に驚いているのが面白くて、私も笑った。私にとっては当たり前のことすぎて、改めて言うことがなかったから親は私について私が成人してから新たに知ったことがあるのか、とも思った。共感覚っていうんだよ、とは言わなかった。HSPとかMBTIとかまた病気みたいなの探してきて!と言われそうだから。

 大学一年の時、言語学の授業で共感覚が出てきて、リアクションペーパーに私もそうかもしれない、と書いた。どこかで診断したわけじゃないし、うっすら思っていただけだから、行数稼ぎになったらいいなくらいの気持ちで。次の週に、リアぺの内容を100人を超えるであろう授業で紹介されてしまって、自分で書いたくせに内面をペラペラ紹介されたようで異様に恥ずかしくてこの感覚のことをもう誰にも言わないと誓った。友達がおすすめしてくれた曲が、エメラルドグリーンにセピアが乗っかった色みたいだなと感じて、もうその曲もタイトルも覚えてないけど、その時感じた色と友達のリアクションをずっと覚えている。

 人と違うと感じてやめたことがたくさんある。曲のイメージを楽譜の表紙に自由に描いて、ピアノの先生が褒めてくれてたけど周りにそんなことしている子は誰も居なくて、恥ずかしくて表紙に絵を描くのをやめた。歌詞をノートに書いて、好きなメロディに乗せて歌ってたけど兄に変!と言われやめた。ダンスも兄に下手だと言われて踊らなくなった。高校の体育でもみんなに笑われてもう踊るもんかと思った。私は踊り手が好きだった。MMDは今も大好きだ。自由に感じて表現することは許されなかった。全てに暗黙の答えがあって、それを読み取ることができてしまったから、自由を忘れてしまった。

 好きに書いたnoteを見てくれて、評価してくれる人がいて、自由に感じたことを表現してもいいのかなと思えるようになってきた。人と違うのが怖かった。これからは自分らしく生きたいから、自由に感じていいんだよと自分を許して、自分を思い出していきたい。

 就活は何も進んでいないし、配信者になる予定も今のところないけど、「自分ってなんだろう?」という問いへのヒントを得る材料になった気がする。それが学べただけでも今年の収穫ということにする。

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