難聴に気付いて補聴器するまで①
私は中等度難聴です。普段は補聴器を着けて生活をしています。家の中でひとりの時や、夫と話をするだけの時なら着けてないこともあるけれど、テレビを見る時や外出するときは着けています。
先天性難聴なのに、初めて難聴としっかりと向き合ったのはもう社会人になってからでした。もっと早く向き合っていられたらな…と悔いることもありますが、もし同じような方がいたら、それはお互い安心するなぁなんて思いながら、書いてみます。
まずは高校生までのはなし。
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自分の聞こえについて、初めておかしいな?と思ったのは小学校入学前の聴力検査。ヘッドホンみたいなのを着けて、ピーとかボーとか聞こえるアレです。
「聞こえたらボタン押してねー」と言われたけど、全然聞こえない。「あれ?大丈夫?ボタン押してね」と、検査担当の人にも同席した母にも言われ、「あ、聞こえないのっておかしいことなのかな?」と思って、聞こえているフリをして適当にボタンを押していました。
以来、小学生のときの聴力検査は全部適当にやってました。聞こえないなんて言ったら、親がどういう反応をするか、病院で診てもらうとかって話になるのか?とか…何しろどうなっていくのかが分からなくて怖かったんです。
検査の後は「余裕だったよねー」と友だちは言い合っていて、「そうだねー」なんて話を合わせたりして、内心は焦っていました。
でも、学校生活での支障はありませんでした。
実家は2階建てで、2階にいることの多かった私は、階段の下から家族に呼び掛けられても聞こえませんでした。何回か呼び掛けて、反応がないとわざわざ階段を上り声を掛けてくれましたが、「ご飯できたって言ってるでしょ!」と半ギレ状態。こちらはこちらでモヤモヤしながら応じる。それは日常茶飯事でした。なるべく怒られないように、階段を上る音で気付けるように気にしたりしていました。親は、何かに夢中になると周りの声が聞こえなくなるタイプなのかな?と思っていたようです。
中学生になり、部活選択の時期。ずっとずっと吹奏楽部に入りたかったわたしは、吹奏楽部の見学に行きました。音楽室に入った途端、すごく大きい音!今まで聞いたことのない大きい音にびっくりして、これを毎日聞いていたら耳が悪くなってしまうのでは…?と心配になり、入部を迷いました。親にも相談しました。そこで初めて「聞こえが悪い」ことを自覚していると打ち明けました。「大きい音を聞き続けているとどんどん悪くなるというのはあるよね」という話になり、吹奏楽部はなくなく諦めて別の部活に入りました。
そして、中学生になっての聴力検査で今度は誤魔化すことなく検査を受け、市内の大きい病院に行くことになり、もう一度検査を受けました。
結果は、「心理的なものでしょう」と。検査という緊張感で、聞こえているのに聞こえてないように感じたりするんでしょうということでした。本当に悪かったら、みんなの言葉がマスクして喋っているように聞こえるよと言われて、正直ピンとこなかったのですが、「それはないです」と答えてしまい、異常なしということになりました。
一番困ったことは、授業中、先生の声は聞こえますが、指名されて何かを発言するクラスメイトの小さな声は全然聞こえないこと。
一番地獄だと感じたのは、毎年春になり新しい先生が授業にくるとたまに行われる、自己紹介リレーみたいなもの。
席の端の人から、名前と好きなものなど一言答え、次の人は、前の人の名前と好きなものを言った後に自分の名前と好きなものを言う。その次の人は、1番目の人、2番目の人の名前と好きなものを言った後に自分の名前と好きなものを言う…みたいに雪だるま式に言うことが増えていくアレです。
多分、ちゃんと聞こえる人でもアレは嫌だと思います。人の名前を忘れたり、間違えたりするのは失礼かなと思ってしまうし、何しろ覚えられるかーいって話です。そこにさらに、聞こえにくいが混じると、それはもう地獄の時間でした。比較的声の大きい人の時に、聞き取れなかった人の名前などを聞き取って…などしていて、かなり必死でした。
高校生の時は聴力検査を一度やったかなと思いますが、どうだったんだろう、改めて病院に検査に行った覚えはありません。
英語のリスニングがとにかく苦手でした。リーディングもライティングは得意な方。でもリスニングはそもそも、テストで流される音源の声が小さいように感じて全く聞こえなかったり、聞こえても分からないので点数がガタ落ち。
そして、進路選択の時期で、美容師になりたかった私は東京の美容学校の名前を進路希望用紙に書いて提出。親にも美容師になりたいと言いましたが、「アンタお客さんと話できるの??聞こえないんじゃないの?」と言われ、確かに…とその点はかなり引っ掛かりました。
そして、進路についての三者面談。進学校で学年の全員が大学に進むような学校だったので、担任の反応は「美容師!?えー…大学行ってからでも遅くないんじゃない?」と反対気味。親にもそう言われ、そこで「いや、でも美容師になりたいの!!!」と言えるだけの熱量がなかったのもありますが、耳のことで気がかりはあるし…と、美容師は諦めて大学に進むことにしました。
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今日はここまで。
読んでくださりありがとうございました。
大学生以降のことも今後書いてみます。
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