先輩風吹かせないよう
20代の頃
会社に50代のパートさんがいた
出張受付をしてくださる方で、初めて現場に行った時
彼女は泣いていた。。。爆
え?!どうしたんだろうと思ったら
山崎豊子さんの 大地の子を差し出して
これを読んで泣いてたと伝える
え?!本でそんなに泣ける?しかもここ出張先の社内の受付なのに?笑
それがその人との初めての出会いだった
その人の話で大地の子に興味を持ち、案の定最初の数ページであまりの悲惨さと中国孤児の辛さに泣けた。。
親子ほどのパートさんだったが
お昼を一緒に食べるようになり
正直で気取らず、時に天然なその人を
わたしは、年上の友人のように慕ってた
プライペートでもたまに彼女の家にもう1人の職場の人と遊びに行くほどだった
もはや、年も関係なくその人と会う事を当時の私は楽しみにすらしていた。
でも、彼女から積極的なお誘いはなく私からばかりで迷惑なのかなと思ったりしてた。
ある日その人が老後は田舎に住むことになったと
人伝に聞いた
それも、簡単に行けない村のようなところ
別れが苦手な私は常に会うたび泣きそうになってた
最後の時、仕事の都合で別れを惜しめることもなく、彼女はメールなどやっておらず
手紙でしかなかった
若さゆえ手紙は一度しか出せなかった
しばらく何の連絡もなく彼女のことも年が離れてるし、友達のようにはなれないのだなと
日々忙しく忘れ去っていた
ある日、私に葉書が届いた
そのパートさんからだった
田舎で落ち着いた様子で、
最後の時に私の涙顔が辛くてそっけなくしてしまいごめんなさいと書いてあった
控えめながら、同じ気持ちでいたんだ。。と
いま、彼女の歳になり
年下に先輩風吹かせたくないのと
断りづらいだろうと自分からは誘わないでいる
慕ってくれる後輩は、かわいいし、今のZ世代は意見がしっかりしててストレートに話せて聞いてて爽快だ
でも距離を詰めては行けない、相手も先輩接待してるかもしれないと
それでも、お誘いがあると
あの頃のパートさんはこんな気持ちだったのかなと心があったかくなるのである
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