変化が起こせない会社の病
会社が大きくなってくると、新しいことを生み出すのがとても難しくなるなと実感しています。いわゆるイノベーションのジレンマというやつ。頑張らなくてもお給料が出るし、仕事が細分化され経営視点がなくなったり、やりたいことがやれずモチベーションが下がったり、理由はいろいろあるのでしょう。
表層的で深く考えない
その中でも一番の理由は、「深く考えない」ではないかと感じてきました。多くの場合、適切な課題を抽出できまま、時間がないので進めてしまい、やってみたけど効果が出ないを繰り返しています。また、一度課題設定すると、解決にばかり注力して、扱う課題自体が正しいのか再定義することはほぼなくなってしまいます。「○○についてブレストしましょう」もよくやりますが、○○が本当に今話すことなのか、○○自体を定義し直す、なんてことを気にする人もいません。「本当の問題は何でしょう、何を変えたいんですか」なんてことを言い出すと、面倒な人になるし…。
問題がない問題
そもそも「問題は何か」という質問が難しい。ここまで豊かな現代になると、「人間関係がうまくいかない」「売上が上がらない」といったちょっとした問題はありますが、心から自分が扱いたいコアな問題自体が思い当たらないものです。問題はあるけど、解決しなくても生きていけるし、何とかなります。
どんな既成概念を持ってるのか
平和ボケしてしまった私たちに変化なんて起こせるのでしょうか。このままで良い人は特に頑張らなくても数年は大丈夫。多少の危機感を持ってる人や、どうにかしたいと思う人がすることは、当たり前の見直しだと思います。まずは、既成概念を表に出すこと。特に不便と不満がある既成概念です。「できない」「しなければならない」と語尾がつくものには、不便や不満が眠っています。例えば
・良い暮らしをするにはお金がないといけない
・住む場所は一つで移動できない
・勉強するには学校にいかなければならない
・ペットと一緒に出勤できない
・週5で働かなければいけない
この中で「困るな」「嫌だな」と思うものは、一番自分が真剣になれる問題です。
ZOZOスーツは「服は試着して買えない」という既成概念を、Amazonプライムナウは「欲しい物をすぐ得るには、店に買い物に行かなければならない」という既成概念を取り扱い、壊しました。変化を起こした企業は、これをやっているのに、会社の現場では意外とこれを取り扱う機会がありません。経営層レベルになると常に考えていることだとは思いますが、変化が起こせない、従業員は当事者意識がないと思うのであれば、もっとこれを考えさせる機会の創出が必要ではないかと思います。
個人でもどんどん扱う問題のコアを深堀りし、既成概念を扱う練習をすれば、変化を起こすきっかけを掴む人が増えると思いました。