文章題より計算の方がむずかしい
算数数学が苦手なお子さんやそのお母さんに
「いちばん苦手なのは、
どんなことですか?」
と聞くと、
「計算はできるんですが、
文章題が苦手です」
と答えられることがほとんどです。
でも、
実際に確かめてみると、
文章題が苦手なお子さんのほとんどは、
計算力も不十分です。
文章題はパターンを覚えれば解ける
文章題の解き方は、
パターンです。
同じパターンの問題を
3回も練習すれば、
そのパターンの問題なら
だいたい解けるようになります。
覚えることは一つだからです。
もちろん少しヒネリが加わると、
とたんに解けない
ということはあります。
それでも
ヒネリ方もまた
やはり一つのパターンなので
間違えた問題を
数回解けば
同じヒネリ方には
引っかかりにくくなります。
計算は覚えることがいっぱい
ところが計算は違います。
かけ算九九でも
ほとんどなんの関係もない
かけ算の九九の答えを
81個も丸暗記しなければ
ならないからです。
暗算のたし算やひき算なら
指折り数えれば
数秒、あるいは十数秒で
答えがわかります。
でもかけ算はそうはいきません。
とにもかくにも
81個を丸暗記するしかないのです。
人間の脳は
つながりのあるコトガラなら
覚えやすいようにできています。
ディズニーのアニメなど
台詞までスラスラと覚えるのは、
子どもにとっては
それほどむずかしいことでは
ありませんよね?
ところが特別なつながりが
見つけにくかったり
ほとんど見あたらない
かけ算九九のようなことは
とても覚えにくいのです。
だいたい覚えたつもりでも
7✕8が3回に1回くらいは
48になってしまったり
しちゃう子どもの
なんと多いことか。
ですから学校でも
かけ算九九には、
最低でも2ヶ月くらい
学習期間が設けられています。
それでも大人になっても、
かけ算九九があやしい人は
けっこうな数いますよね?
そう簡単には身につかないのです。
文章題のように数回の練習で
理解すればできるようには
絶対になりません。
だから計算は
一つひとつのステップが
スラスラと間違わずに
文字通り身につくまで
しっかり練習するべきなのです。
計算は算数数学のことば
どうして計算は
スラスラと間違わず
身につけることが必要なのか?
と言えば、
計算が算数数学のことばだからです。
文章題でも関数でも、
スラスラと間違わずに計算きなければ
つっかえつっかえしか
考えることができないからです。
整数の四則計算もあやふやなまま、
小学校高校学年以上の算数数学の授業を受けるのは、
ろくに英語が話せないのに、
アメリカの学校で授業を受けるようなものです。
理解できる方が不思議なのです。
文字通り
「スラスラと正確にできる」
計算できなければ
算数数学は苦手で当たり前なのです。
まとめ
・ 計算を身につけるには、
文章題が解けるようになるよりも
はるかに多くの練習が必要です。
・計算がスラスラと間違わずに
考えたり悩んだりしないで
できるようになっていないと
算数・数学を理解するのは
とてもむずかしいことです。
・ だから計算は
一つひとつじっくりと練習し
確実に身につけるべきなのです。
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