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津軽の暑い夏〜ねぶた祭り

毎年恒例、夏のこの時期は青森ねぶた祭り。青森と縁ができてから約30年。2/3くらいは来てるかな。わが家の夏の風物詩がねぶただ。

青森駅に到着するのは夜。ホームに降りると笛と太鼓のねぶた囃子が聞こえる。もうそこでねぶたモードに入る。新幹線が新青森までつながる迄はわざわざ寝台列車で行ったものだった。早朝青森駅についてからの市場での朝食が楽しみのひとつだった。

さて、ねぶた祭り。午後7時10分に「ドーン!」という音とともに花火が上がると一斉にお囃子が始まる。ねぶたの「出陣」だ。

大太鼓、笛、鐘の音(ね)が響きあい、日が暮れた青森の街に響き渡る。ねぶたの引き手も気合の入った雄叫びをあげ、跳人(はねと)の「ラッセラー、ラッセラー」が始まる。若い人は本当に高く跳ねている。そして、ねぶたとともに囃子方と跳人は、ゆっくりと前に進み始める。

この瞬間が好きだ。

跳人は、浴衣に独特の帯やタスキ・鈴をつける。正装するのが跳人のしきたり。跳ねているときには鈴が落ちる。沿道を埋め尽くした人たちがこれを拾う。子どもたちは跳人に鈴をくれとせがむ。この鈴、ご利益があるという。跳人も沿道の観客も汗びっしょりだ。

辻々ではが左右の沿道の観客に、大きなねぶたが前後に首を振って見得を切る。遠藤からは大歓声があがる。観客も歓声と手ふり身振りでねぶたを招く。お囃子と跳人とねぶたの引き手、そして観客の一体感を感じる。

約2時間、青森市街を運行する。約20の団体が整然と晴れやかに市内をぐるりと運行する。運行が終わると、戻り囃子に合わせて静かに勇壮にラッセランド(ねぶたの制作小屋)に戻っていく。この戻り囃子がまた切なくもの悲しくていい。これも好きだ。

今年は、祭り終了の前に一足早く青森を離れた。今年の青森は8月1−2日が猛暑のピーク、東京と変わらない暑さだったが、これを過ぎると涼しさを感じるようになった。明け方は寒いくらい。東京に戻るとまた灼熱の地獄のようだった。

ねぶた祭りは、毎年8月2日から7日まで。最終日7日の夜は、海上花火とねぶたの海上運行。一度だけ見たことがある。こうして津軽の短い夏の終わる。ねぶた祭りが終わると秋の気配、ぐっと涼しくなる。

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