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関根ママ書評まとめ(随時更新)(2025/01/09〜)

ドミノ 恩田陸


2時間で読了しました!
職場の昼休みに10分ぐらいずつ読み進めていたんですよ。でもね、登場人物多すぎて、場面転換が多すぎて、細切れ読書には向かない!ここは一気読みせねば!と思い立って、本日一気読させていただきました。

全ての登場人物の、いろいろな意味での危機感バリバリの場面の切り取り、全くバラバラな出来事が、東京駅を中心にして複雑に絡み合いながら思いもかけぬ方向へ倒れ込んでいく様は、やめられない止まらない面白さ。

初っ端の生命保険会社のシーンで、夏の何だか嫌な雨雲が立ち込める中パソコン画面をいらいらと睨みつけるOLのシーンを読みながら、この展開では「あれ」が起こるんじゃないかと、ワクワクして期待して、後半ここぞというシーンでやはり「あれ」は使われて、でもサラッと流されてしまってがっかりしたことは、私の心の中にだけ留めておきましょう(笑)

ラストまで疾走感は止まらず。爽快な、でも思わせぶりでドキドキの読後感を味わいたいならこの一冊って感じですね。

そして、多くの登場人物の中で、私はピザ屋の店長が一番好き!!!

東京駅近の八重洲ブックセンター、積み上げて売ってくれていてありがとう!
(2025/01/09)

八重洲ブックセンター グランスタ八重洲店オリジナルカバーが好きなのでこちらもアップ❤️

人魚が逃げた  青山美智子

今度こそ、本屋大賞取ってくれ〜!
私の中でベストオブみっちー本になりました!
読んでいて5回は泣いた。というか5章全ての物語がみんなよかった!!

銀座の歩行者天国を舞台に、恋人未満の恋人同士の男性、つまらない主婦であり母である自分が不安な女性、別れたばかりで元妻の思い出を手放そうか悩む男性、快活で明るい妻を持つ書くことにしかできないと思って不安な男性、そして話は円環となり、歩行者天国の終わる午後5時にむかっていく。

それぞれの相手を思う愛の物語をアンデルセンの人魚姫と絡めながら、心温まるラブストーリーを紡いでいく手法は、さすが、青山美智子さん!

最後のエピローグも、蛇足にならず素晴らしいファンタジーとして幕を閉じてくれました。

装丁、田中達也さんのミニチュアに戻ってきてくれて、ありがとう!
(2025/01/28)


地雷グリコ 青崎有吾著


ちょっと〜!すごい面白かったんですけど!!
みんなが紹介するのを聞いていて、勝手に連作短編なのかと思っていたら、全くそうでは無い。
よく知っているゲームを相手の思考の読み合いをしながら、勝敗をつける掛けゲームつまりギャンブルを物語の主軸に置きながらも、女子高校生たちの日常と友情の物語。

始まりは文化祭の場所取りから始まったこの掛けゲーム、次第にものも相手も大物になるけど、中身のゲームは「だるまさんがころんだ」だったり「ジャンケン」だったり。

だんだんことが(掛け金?)大事(おおごと)になっていくのに、最後はそこですか〜!女の友情バンザイですね。

ハラハラドキドキしながら読んだのに、爽快な読後感最高です!!学校の勉強ができることが全てじゃないし、本当に頭がいいということは、成績では測れないって描いているところも面白い!

あれ?なんで去年これが本屋大賞じゃなかったの?って言うより、私なんでこれ読んでなかった?
その理由は、きっと表紙にあるね。こんなに面白い本だとは思わなかった!
思わず一気読みでした😆
(2025/02/06)

カフネ 阿部暁子

途中何度か寝落ちしながら、深夜1時に読了。
染みる素敵な本でした。

こうしなければならない、そしてやるなら徹底的にやる。完璧に。そういう女子は生きづらいんだよね〜。そんな主人公薫子は、登場した時から理由も分からず離婚されてる。

ストーリーの中に出てくる数々の美味しそうな料理も、それを手際よく作っていくせつなさんのカッコ良さにもワクワクする。だけど、この話は、再生の物語なんだよね。

主人公たちの再生であったり、主人公達が土曜日のボランティア家事サービスで訪れていく家族であったりする。人は、それぞれの形で誰かの手を借りて再生する。再生することができる。

料理と掃除には人を再生させる力がある。
よかったよ〜。ラストシーンだけではなく、全編随所に泣けるシーン山盛りで、大満足でした。

最後に、この言葉が通じる人に是非言いたい!パシ女子、熱くてもいい、あなたらしく生きることで救われる人はいる!
(パシ女子とは、PCMで言うパシスターが強い女性)
#カフネ
#阿部暁子
(2025/02/10)

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