高知移住日記中級編その3(地元スーパーで働くよ)
転職面接
東京から、退職金等を持って移住してきたとは言っても、高校生の息子と二人暮らし、全く仕事をしないでいてはお金は尽きてしまう。まあ、何ヶ月かは様子を見るとしても仕事はしようと思っていたので、移住の時にお世話になったコンシェルジュさんに転職先を探す依頼をしていた。
それでも、メナードとカウンセリングはやりながらの転職活動。
できれば時間に縛られない仕事がいいなぁ。正規職員は40年も勤めたんだから、パートでいいや。などと軽く考えて面接に臨む。
前職が公務員だったので、コンシェルジュさんが探してくれたのは、お堅い事務職の正規職員や契約社員。地域協力隊(公務員)はどうですかとか、、、
いやぁ、公務員はもういいです。できれば、販売やレジのパートとかないですかねぇと希望を言うと、ちょっとびっくりしたみたい。
でも、「私、レジに憧れていて。できれば地元スーパーのレジがいいです」
と言ったので、まさに地元密着のスーパーの面接を受けることになった。
初めて入るスーパーのバックヤード(笑)
荷物山積みの薄暗い廊下の奥の小さな会議室で面接。
私の性格は気に入ってもらえたのだけど、何せすでに8月まで週末にも平日にも予定が入っている。
「土日は小さい子がいる方優先で公休なので、全部出てもらいたい」
って言われて悩んだ。
週末のイベント出来なくなるじゃん!8月まで、予定は詰まっているのになぁ。
面接の翌日に、コンシェルジュさんに「副業とうまくいかないので、断ろうかと思います」ってメールを入れたら、そこのところまで調整してもらっちゃった。それじゃあ、断るわけにはいかないよね。
そんなこんなで、地元スーパーのレジ担当接客係として再就職です。
初出勤!お嬢様学校より厳しい服装規定
最初の出勤は、服務規定の説明でほぼ半日。
髪は濃い茶まで。靴は白か紺か黒。靴下も同様。制服は毎日アイロンをかけてシワを伸ばす。ピアスは直径5ミリまで。化粧は薄めに。
入り口は裏からだが、出る時は必ず表から出る。
制服を着て出勤するなら、上に何かを着て制服を隠して出勤すること。
うわぁ、なんと言う厳しい服務規定。
そりゃあ、挨拶や言葉遣いなどはお客様相手だから厳しいのは当たり前だけど、服装や髪の色まで厳しく規定。
関根さんは、髪が赤いので染めてきてね、て言われてしまった💦
ただし、服装も髪色も、直さないと言われるけど呼び出されて注意を受けるわけではない。まあ、大人だからね。そこは自分でちゃんとしてってことでしょう。
カゴ詰はテトリス
会社の決まりの説明が終わったら、早速レジの研修。
まずはカゴ詰。
練習用の色々を山盛りカゴに入れて持ってきて、スキャンしながら詰めていくのだけど、片手で持って、反対の手に持ち替えてスキャンを通すのがなかなか難しい。
スーパーのセルフレジでスキャンさせるのは、自分のものだからスキャンの前でピッと鳴るまで何度か振ればよかったのだけど、レジ担当はそうはしてられない。すっと通してカゴに入れる。時には雑誌あり、登録のないものあり、バーコードが読めないものあり。そんな時の対処法をいろいろ教えてもらう。
スキャンさせるだけでもなかなか大変なのに、山盛りで持ってきたものをパンやお菓子など潰れそうなものは上に載せて、カゴに詰めていくのは難しい。
何度も迷う。でも迷ってはいられない。お客さんが待っているのだから。
手早く、ミスなく、過誤なくスキャンした上で、綺麗にカゴに詰め込んでいく。いっぺんに幾つのことを考えながら、やらにゃならんのじゃい!!
レジ機械の多機能さに目をまわす
スキャンの研修がそこそこ終わると、今度は金額請求と現金、金券、コード決済などの支払い方法の研修。
今まで役所で取り扱っていた金額は、住民票や戸籍など金額の決まっていたものだけ。もちろん、レジのボタンも決まったものが幾つかしかない。
しかし、さすがスーパー。最近は、預かった現金を機械に入れれば、自動でお釣りが出てくるようになっているけど、取り扱いは現金だけではない。
エディ払い、クレジット払い、コード決済などなど多種多様な上、お買い物券やビール券、ギフト券、さらにはお釣りの出る商品券まである。
全部覚えるのに目が回りそう。
さらに、お釣りを渡すときに
「⚪︎⚪︎円、お返しいたします」と言うように「⚪︎⚪︎円のお返しになります」はダメです。と言われる。
お客様に対しては、「⚪︎⚪︎いたします」「はい、かしこまりました」と言わねばならない。
ええ??丁寧語で40年間役所の窓口勤めてきたけど、それじゃあダメだったのね。さすが、お客様対応専門のスーパーの接客!厳しいわぁ。「だから役所は対応がなっていない」って言われることがようやく腹落ちして分かったわ。本来の「お客様対応」の「基本」はこう言うことだったのね。
もちろん、耳のよく聞こえないお年寄りや、お財布開けて「ここからいるだけとって」と言うお年寄りに、そんな対応はやっていられないけれど、「基本ができて、初めて崩せる」って言われて本当に納得。
長くスーパーで接客やってきた先輩は違うわぁといろいろ感動。
レジ独り立ち大丈夫なのか
2週間後ろに先輩についてもらって、レジのスキャンからお金の受け渡しまでの研修期間。
ついに一人で打つ日がやってきた。
午前中の失敗は、カゴの中身を1品スキャン忘れて、もう一回戻って支払ってもらったこと。もう1回は、代金請求した後、重たいカゴを台まで運んだら、お客さんお金を払わないでカゴの方に行ってしまったので、追いかけて「お支払いお願いします」って言わなきゃならなかったこと。
どちらも、優しいお客さんで、にっこり、「大丈夫ですよ」って言ってもらえた。本当に、高知の人って優しい人多いわぁ。
さて今日は連休。連休の後、レジに戻って私はちゃんと覚えているのか。
仕事を忘れていないか。それだけが心配。