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関根ママの過去書評まとめ(入院中編2022)

facebookで、他の書評もまとめて読みたいとのリクエストがあったので、ここで過去に遡ってまとめてみたいと思います。

遡るのなら2022年2月のあの半年の入院生活で本を読みまくった頃の書評から

パラ・スター(side 百花・side 宝良)  阿部暁子

(2022/03/20)

半年以上前に紹介されていたもの、やっと読みました!
スポ根ものって大好きな分野なんだけど、こちらツンデレ女子選手とおっとり親友の号泣感動友情スポーツもの!
本当は、side 百花→side 宝良の順で読むのに、表紙に引かれてside 宝良→side 百花の順で読んでしまった(^^;
でも、十分に楽しめました(^^)

パラ・スポーツの普及のための物語でもあると思うけど、今、まさに車椅子のお世話になって生活している身になると、わかるわぁと思うこといろいろ。
退院して車椅子を使わなくなっても、社会のシステムぐらいもっと使いやすくなるように考えて生きていたいと思う!
それにしても、技術屋さんのこだわりとチャレンジ、ミリ単位の調整に感動です。
アスリートと同じぐらい職人魂にも打たれます。

(2024/07/22追記)
著者の阿部暁子さんといえば、最近話題は「カフネ」この本も読んでみたい

エチュード春一番 第二曲 三日月のボレロ  荻原規子

(2022/03/22)
いや、いや、いや、なかなかの荻原節が炸裂していました。主人公みゃあと八百万の神さんとのやり取りもさることながら、RDG並の「敵?」キャラ出現に怒涛の展開。主人公があわあわしながらも、やる時はやるのよ、的な行動力も素敵でした。

ちょっとびっくりしたのは、埼玉の氷川神社や秩父神社、三峯神社などが出てきて、北極星信仰だの出雲人は埼玉に移ってきただのが物語に出てきて、あれれ、「神神の契約」とシンクロしているぞ!と思ったこと。

随分前に買っていて読むタイミングがなかったこの本とつい最近紹介されて読んだ本がシンクロするなんて、なんて不思議!これも神の導きなのか?!

などとわくわくして読みました。

さて、エチュード春一番も、次で三曲目。次は、もっとトンデモ展開になるらしいので、わくわくです。

エチュード春一番 第三曲 幻想組曲[狼]  荻原規子

(2022/03/23)

早速、三冊目も読了!ついに荻原節真骨頂!歴史物語に突入。

主人公 美綾(みゃあ)が、将門記を読んだことがきっかけで平安末期の将門の時代へモノクロと意識だけ飛ぶことになる。

そこで、美綾の目から、将門とその周りの人々を見ることになり、、、

ということなんだけど、平安末期の武士台頭の時代の関東の勢力図や、将門と兄弟や母との関係。親類たちと源家との関係が、現代の歴史を学んだ美綾の目線で見られ語られるところが荻原規子の味ですねぇ!

そして必ず入ってくる、淡い慕情。ラブがなければ荻原作品とは言えないのよ!そして、山を守る守り人は、なんと!ということでタイトルに戻っていく素晴らしさ。

ああ、次の巻が待ちきれません。

(2024/07/22追記)
荻原典子さんといえば、源氏物語を「荻原源氏」として完訳していたことに昨日本屋で気づきました。本の出版が近くにいないと大好きな作家の近居執筆状況も把握できなこと辛いわぁ

姑獲鳥の夏  京極夏彦

(2022/03/25)

この人の本は厚いので何度見ても「やめておこう」と思っていました。私、それほどミステリー好きでもないし。

でもまあ、最初に読むならオススメだよって言われて買ったのはいいけど、半年は積まれていたかなぁ(笑)

出だしの主人公と京極堂の問答がなんとも面白くて引き込まれ、あれれ、と思っているうちに夢中に!

昨日、夕方から体調不良にならなかったら、危うく徹夜本になるところでした。

事件が解決に向かって、警察が踏み込んでも、あれ?まだ100ページ以上残っているんだけどどうして?と思いつつさらに読み進めると、まだ底に埋まった謎解きが出てくるという、なんとも凄まじい「埋め込み」ミステリー。

いや、犯人なんて素人の私でも予想が着くのだけど、それを取り巻く謎と不思議を思わぬ手段で開いていくのを読み進めるのが気持ちよかった!

次の巻が「魍魎の匣」だということで。知ってます。その本。何度も本屋で見ました。「こんな分厚いの読む人いるんだ。ミステリー好きって変なの」と、思っていましたとも。20年ぐらい前の私。

そして、先程Amazonでポチって当時の私に「変な人」と言われます(笑)

(2024/07/22追記)
もちろん次の巻「魍魎の匣」読めてません(笑)

ロマンシェ 原田マハ


(2022/03/27)

乙女な画学生で政治家の息子のミシェル・美智之輔(男子)と売れっ子小説家ハルさん(女性)が織り成す、愛と青春と自由と創造とパリを巡るコメディ!

原田マハって、こんなコメディも書くんだと節々で大笑いしながら読んでいき、最後にやられました。号泣です。
何より一人称のミシェルの乙女さ加減が最高!

私、こんなに女子じゃなかったよなぁ10~20代の頃って。と思いながら、ミシェルの女子力に感動。そして片思いの彼への切ない思い!やっぱ「LOVE」は、大切!そして、妄想も大事!!
読み終わったあと、あとがきに東京駅の美術館「東京ステーションギャラリー」の館長が書く、本の出版と同時に開催された展覧会の裏話も、ググッとくる感動物語。

(2024/07/22追記)
この紹介読んで、もい一度読みたくなったよほんともう!!

香君(こうくん)上下  上橋菜穂子

(2022/04/04)
精霊の守り人、獣の奏者、鹿の王の上橋菜穂子が新刊を出しました!!待ってました〜!

紹介してくれたクラブハウスの友人より先に読んじゃった(てへ)

今まで、精霊や主たる獣の名前がタイトルだったのに、今回は人がタイトルなのは何か訳があるのかなと思いながら読み進める。素敵な装丁からもわかるように、今回の「対象」は植物。オワレ稲という名の民の主食となるもの。植物が来て問題が来るとすれば「虫」だよなぁと思ってワクワクしながら読んだ情感は、プロローグ。下巻になってとんでもない問題が起こって、それをさまざまな階級のさまざまな人たちが悩みながら解決していくいつもの上橋節。今回の主人公も女性なんだけど、いつものようなプロフェッショナルではない。とても優しい少女(たち)。獣の奏者の時のエリンよりも優しい彼女(たち)が、心を痛めながら問題の解決策を探っていく様が心に響きます。ああそうか、これでこのタイトルだったのかと納得。

そして、稲で虫と言ったら「あれ」かと思っていたらなんとびっくりそうきたか!という展開も心地よかった。

上橋さんの後書きに書かれた参考文献も数多く、いやぁ、これもそれもみんな読みたいなぁと思う危険な後書きも楽しめる作品でした。


隻眼の少女 麻耶雄嵩

(2022/04/23)
表紙に引かれて手に取ったミステリー。

なぜ表紙に煽り分が直に書いてあるのかなって不思議に思っていたら、これは全帯というやつだったんですね。

そして、表紙に引かれてよかった(^^)
ミステリーならまずは犯人探し。起こるは殺人事件。一番犯人じゃあなさそうなこいつが犯人か、と思うと、そいつが殺されてしまう!

ああ、あるある展開だよとおもっていたら、やられました。
ミステリーは、ネタバレ禁止とは言いますが、本当に、ちくしょう!やられた!って気分になる読後感でした。

ふたつの年代に渡る事件とトリックの結末が、これかよー!本当にちくしょう!な本です。

(2024/07/22追記)
思い出しても「ちくしょう!」と思う本。これがミステリーってやつの「騙された」ですよね。

MISSIONミッション 岩田松雄

(2022/04/26)
スターバックス本は、数年前にハマって何冊も読んだ覚えがあるのに、なんでこの本には行き当たらなかったんだろう。それに、スタバの店員さんのホスピタリティは、この本を読む前から知っていた。でも、読みながら感動。なんだか物語を読んでいるよう。

やはり自分は何のために働くのか、しっかり思いを持って動かないと楽しくない。

読んでいて楽しい自己啓発本は、やっぱりいい。

(2024/07/22追記)
新しい「MISSON」が出てる〜〜!!

虚魚(そらざかな)  新名智

(2022/05/02)
「人を殺せる怪談を探している」と書いてあった帯に引かれて手に取った本。

ホラーは、嫌いなのよホラーだけは読みません、って思っていたのに「ミステリー&ホラー大賞」の本を選んでしまってドキドキしながらページを繰りました。

主人公の美咲は、事故で両親を無くして事故の相手を呪い殺せる怪談を探している。同居人のカナちゃんは、呪いか祟りて死にたいと思っている。そんな二人の物語。

出だしは、「またまた、そんなぁ〜」と言いそうな都市伝説紛いの怪談がちらほら。嫌なのよ。そーいう展開と、思っていたら、あらあら?ホラーじゃなくて、やっぱりミステリー?という流れになって、すたたたたーと読み進めていたら、あーこういう展開でしたね、しくしく、今夜は思い出さないようにしようと心に誓いました。

ホラー要素とミステリー要素半々の、ホラー初心者向けな本です。

読後感は、「ありがとう、私でもホラー本読めました」と本に感謝!

(2024/07/22)
この本の後に2冊目のホラーにチャレンジと購入しましたが、未だ日本すら開けていない私。

プロジェクト・ヘイル・メアリー 上下 アンディ・ウィアー著

(2022/05/08)
読み終わった〜!話題のSF作品。
三体は、スケールバカでかくて物凄かったけど、こちらも負けてはいない。

それより、作者の優しさとププっと突っ込めるおかしさがちりばめられた暖かい作品。
内容は、例にもれず、なんにも話したくありません。読み進むにつれて解けていく色々な謎を楽しんで欲しい!
SFだからって難しいことはない!だって、作者が一生懸命説明してくれるから。そのへんも、作者の優しさ溢れる作品。

二度目に読む時は、初読のわくわくがないんだなぁとちょっと残念!
(追記)
一日経って下巻をサラッと読み返す。やっぱり、最後の一行に、ほんの少し涙する。

(2024/07/22追記)
今年になって同じ作者の「火星の人」を読んでああ、やっぱりこの作者は一生懸命説明してくれて優しいわぁと思った。


世界2.0  佐藤航陽著

(2022/05/11)
メタバースの歩き方と創り方、という副題の本。まあ、とにかく「竜とそばかすの姫」の世界を作るにはに、引かれたんだけど、、、、難しかった(^^;

マトリックスも見てないし、メタバースなゲームの世界ったら「ソードアート・オンライン」でしょ。
そのイメージで何とか読み進める1、2章。もうやめようかとおもっていたら、第3章世界の創り方(生態系)で私の中は「はねた!」。

これって、つまりは「自律分散型の世界を創る」ことじゃないの。これぞ今まさに学ぼうとしているところ。ちょっと待ってね。メモとるわ!的な感じで食いつきました。
もう1回、ここの所をじっくり読んで見ようと思いました。
うーん。ソードアート・オンラインや、アクセルワールドの世界は、もうそこまで来ているんだね。

(2024/07/22追記)
小説の中に時折混ざる自己啓発書。入院中だなぁとしみじみ。

額装師の祈り  谷瑞恵著

久しぶりに一冊読み終わった気がする。
夢中になって読んだ訳では無いのに、するするしっとり読み続けられた本でした。

主人公の夏樹は、婚約者を亡くして、彼のしていた額装の仕事を引き継ぐようにして仕事にした女性。
彼女の人に寄り添うような突き放すようななんとも言えない心の動きに、何となく共感できないまま読み進めていました。

それでも、彼女に額装を依頼してくる依頼者の心の中を解き明かしていく手法は、なんだかミステリーの謎解きのようで、読むことをやめられず。気がついたら最後まで読み進めていた感じ。
小川に流した笹舟を思わず追いかけていくような、池に投げ込んだ小石の波紋をいつまでも見ているような、そんな気持ちで淡々と読めました。

心が洗われるような感動は起こらないけど、じんわりとした柔らかな気持ちになれた本です。

世にも美しい日本語入門  安野光雅/藤原正彦

(2022/06/05)
全編、安野先生と藤原先生の対談形式。
戦後すぐに面白おかしい図画工作の授業をしていた安野先生とその授業を受けていた藤原少年の話から始まります。

和歌や俳句の五七五のリズムが実は単体でも合計でも素数であるとか、奇数のリズムは単語をふたつに分けると必ず奇数と偶数になるとかの、日本語のリズムの話。
哲学や抽象、肯定否定などの抽象的なことを表す日本語は、みな明治時代に「西周」が日本語に訳したとか。
そして、美しい日本の童謡や唱歌の話。

私も、色を表す多くの美しい日本語に魅了される1人なので、うっとり、そして楽しく読み終わりました。
こんなタイトルの本なのに癒されたわぁ〜!

ハケンアニメ!  辻森深月

(2022/06/11)
今朝、このタイトルの映画の原作は、漫画ではなく小説と聞いていてもたってもいられなくなって、Kindleで即購入。朝からリハビリの時間を挟んで昼食後まで、一気に読みました!

高校の同級生が二人、アニメ業界に就職していたこと、入院してからアニメ制作現場アニメ「SHIROBAKO」を一気見していたこと、そこから私の想像していた「アニメ業界」は、小説の中でもほぼ違うことなく、それでもヲタク心を揺さぶって、本読みにも十分満足できる内容で嬉しすぎ!

映画上映中に退院できそうもないけれど、この映画は見に行きたい!
むちゃくちゃ面白いよ、という紹介の言葉通りで十分楽しみ、終盤の展開にエンタメを感じながらもわくわく読めました!

映画の表紙より、こっちの表紙の方が、話の中身を描いていて好きです。

なんだか、作者に見覚えがあるなあと思っていたら、「かがみの孤城」の人だった!!

(2024/07/22追記)
ここから始まる辻森深月の乱読。ハケンアニメを筆頭にした「白」辻森と、ダークな世界の「黒」辻森。今度読んだ本は「白か黒か」なんてのも朝の本好きの朝礼では話題になりました。

傲慢と善良 辻村深月

(2022/06/13)
ハケンアニメ!にものすごく魅かれたので、辻村深月の別作品読んで見たいと探して「恋愛小説」の紹介文にフラフラ引かれて、またKindleで購入しました。

恋愛小説は、胸きゅんだけでは無い!嫉妬も裏切り者ないけれど、これは正真正銘の「ドロドロ」恋愛小説。婚活の実際、相手にピンと来ないって何か、彼女に結婚を迫られて引いてしまう男って、などなど。私は通っては来なかったけど、恋愛と結婚の違いとか、結婚できない焦りとかあるよなぁ。

ラストは思わず泣けてしまったけど、胸きゅんだけでない恋愛小説最高でした!

琥珀の夏  辻村深月

(2022/06/17)
山の中、ミライの学校跡地から、少女のものと見られる白骨死体が発見された。
それは、あの夏の日ミライの学校で一緒に遊んだミカちゃんじゃないのか、、、
そんなショッキングなシーンから始まる物語。

話は、ミライの学校で生活する子どもたちの集団生活の中で起こる様々な出来事を淡々と綴りながら進んでいく。

ミライの学校って新興宗教みたいなもの?ええ?戸塚ヨットスクールみたいなやつ?そんなふうに嫌な感じを抱きながら読んで行く中に、親の子どもへの愛しかた、子どもの親への慕情、教育と自立、自治、様々な思いの中に流されていく子どもたちの心が見え隠れする。
で、どうなるのよ!この話は、と思っていたら、どんどん思いも書けない方向に話は進んでいき、、

いやあ!物語を読ませるように書きますねぇ!辻村深月さん!
ラストまで思いっきり読まされてしまいました。
やられたわァ〜!

続きは、2023/03/20〜最新版まで

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