オーバーラップの吸収について
本日気になるニュースが出ていたのでちょっとメモ書きがてら書いてみようかと思う。
オーバーラップは、KADOKAWAに買収される際にメディアファクトリーから分離した人たちが作った会社で、やっていることは昔のメディアファクトリーと同じく、ラノベ、マンガ、ゲーム、アニメの企画制作だ。
近頃では、ネット小説派生のコミックをいっぱい出していて、ぱっと見は好調のように見えていた。
だが、オーバーラップHDの2期(2023/8期)決算公告は純利益▲2億1603万で赤字。となっている。
ただし、こちらはホールディングス会社の決算公告なので、正直何とも言えない。子会社は黒字だったのかもしれない。配当をしなければ普通、持株会社は管理人員の分だけ赤字になるので…。
今回のような吸収・買収の話が0から1年で終わりまで行けるとは思えないので、おそらくその想定もあった上で配当しなかっただけじゃないかなと個人的には思っている。
なぜ吸収だったのか?
それはさておき、ちょっと不可解だったのが、この話がMusaにオーバーラップHDが吸収される形で行われることになった、そのスキームの選択だ。
Musaはちょっと調べた限りでは詳しい情報は出てこなかったが、代表取締役は今井良典氏というらしい。
ビジョナリーホールディングスの公開買い付け時にHorus株式会社というのが出てきていて、その代表取締役も今井良典氏というお名前で、Horusの事業内容も「会社の有価証券を取得・所有することによる当該会社の事業活動の支配・管理」ということから、おそらく同じ人なんじゃないかなと私は思っている。知らんけど。
で、そのHorusがどういう会社かというと、件のビジョナリーの公開買い付け時にPRTimesでリリースが出ていた
これを見る限り、投資ファンドが投資する際の会社っぽいので、おそらくMusaという会社も近しいものでは無いかなと思う。(推測)
もしそうだとすると、今回の話はオーバーラップにファンド資本が入った格好になる。
吸収合併の場合、旧オーバーラップの株主は今後、旧Musaの株主と共に、Musaの株主になるはずだ。
ファンド資本を入れた形で経営権をある程度保持するためであろうか?
ファンドがそんなまだるっこしいことするだろうか?
という気持ちがあって、なんだかしっくり来ていない。
正直、コンテンツ系の会社にファンド資本を入れることは、あまり良い印象が無い。一般的に投資ファンドは利益を上げることが正義であり、上場企業以上に会社の業績や利益、配当にうるさい。
コンテンツ周りの事業は、基本的にはバクチ要素の結構高い事業で、確実に利益が得られるものでは決してなく、安定せず、赤字の時は赤字になるビジネスだし、アニメやゲームは開発期間が3年以上はかかる長期的なビジネスなので、短期利益を追求する投資ファンドとは相性があまりよくない。
なんにせよ、オーバーラップ傘下で働く社員や、クリエイターの皆さんにとって良くない方向に影響しないことを祈るばかりだ。