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日本はこんなに遅れている・・各国のコロナ対策まとめ

「日本はもう手遅れ」そんな声が上がるなか、実際各国はどんな処置をとってコロナウィルスと戦っているのか。

大きく【封じ込め対策】、【医療的措置】、【経済的措置】と【社会的措置】で分けられるため、その状況をまとめてみた。(評価数値はあくまで筆者個人の見解です)

【封じ込め対策】

■米国 評価数値:★★★★☆

3月20日でイリノイ州がロックダウンとなり、先行してNYや、カルフォルニアや、LAなど多くの都市がロックダウンとなった。

■カナダ 評価数値:★★★★☆

国民や永住権を持たない全ての海外旅行者の渡航制限を早期に徹底。米国との国境も物流以外不急・不要の渡航に対してすべて封鎖。テレワークも早い段階で推奨されており、商業や外交の都合で渡航をした際は国民含めすべての入国者に2週間の自己隔離が法的に求められ違反者は罰金及び,または最高6か月の収監となる。

■イギリス 評価数値:★★★★☆

イギリスでは2500人以上の罹患数で外出禁止措置は取られているが一日に一回の運動は許されている。

■インド 評価数値:★★★★☆

人口・人口密度において懸念の多いインドだが、確認できる罹患は150ケースと極めて低い(とされている)。実際のところ統計が届かないスラム街などもあるが 外出禁止要請は各国と比べても非常に速い時期から出しており、英国、ヨーロッパ諸国からの渡航や海外在住のインド共和国国籍人(OCI)でさえ制限を行った。

■ シンガポール 評価数値:★★★★☆

法整備が厳しいことで知られるシンガポールはビジネスのハブでありながら封じ込みを成功させている例でもある。まず、特にコロナ発祥地域から海外渡航者は隔離され、渡航履歴を偽った者に対しては法的措置が下る。オンラインシステムを駆使し、政府に位置情報を提供する国民もいるほどだ。

■中国 評価数値:★★★☆☆

先行して封じ込みを実施していた中国は感染症封じ込みの成功事例ともいえる。しかしその方法は人権やプライバシーを侵害したのではないかという声も上がっている。

■日本 評価数値:★☆☆☆☆

緊急事態は発令されたが法的拘束力はなく、リモートワークも全体の2割以下。

【医療的措置】

■米国 評価数値:★☆☆☆☆

早期検査の機会を逸し、ニューヨーク州やサンフランシスコはエピセンターとなり、罹患数は中国を超えた。しかし、人口の14%弱が無保険といわれる米国では医療崩壊は目に見えている。他州や隣国から医療救済を受けなければならない程現実は緊迫状態にある。

■カナダ 評価数値:★★★★☆

米国と対照的にユニバーサル・ヘルスカバレージが存在するカナダは早期治療が可能。

■イタリア 評価数値:★☆☆☆☆

世界で二番目に高齢者人口が高いとされるイタリアでは 罹患数は35,000人に上る。しかし検査を経て罹患率は減少の傾向にあるとのこと。

■イギリス 評価数値:★★★☆☆

3月18日以降、週に25,000以上のテストを行う方針を決定。 

■シンガポール 評価数値:★★★★☆

シンガポールの医療は世界でもトップクラスで感染経緯を明らかにするための検査も実施した。これはウィルスの更なる感染を防ぐために効果的な方法だ。

■韓国 評価数値:★★★★★

お隣の韓国は「早期追跡、早期検査、早期治療」で累計270,000以上が検査を受けた。またその方法も革新的でドライブスルーなどを用いて行われた。累計で8000人以上の感染陽性者が発見されているにもかかわらず、累計死者数は80人未満である。

■日本 評価数値:★★☆☆☆

検査を拡大すれば医療崩壊が起きる可能性がある。コロナウイルスは日本では「指定感染症」である。日本の法律では「指定感染症」に感染していたら無症状でも軽症でも入院隔離措置を取らなければならない。つまり、自宅療養や自宅隔離はできないのである。感染症に対応できる医療機関ではない病院でも入院させなければならないので、院内感染も広がる。

【経済的措置】

■米国 評価数値:★★★☆☆

米国上院は、1,040億ドル相当の連邦援助措置を提案。これにより、無料コロナウイルス検査を実施し、無保健者や子供の学校給食、10日間の病気休暇、特定の労働者に対する12週間の有給休暇を認めた。トランプ米大統領政権は現在、1兆ドル(9千億ユーロ)相当の緩和策に向けて協議を進めている。これには低所得のアメリカ人への即時の現金給付が含まれる。

また、米国連邦準備制度は、経済的損害と戦うための3つの新しい資金メカニズムを発表。 1つ目は、家計や企業に対する支援で、2つ目は主要な金融機関に最大90日間資金を提供する策だ。

新しいメカニズムにより、JPモーガン、ゴールドマンサックス、HSBC、モーガンスタンレー、ドイツ銀行証券、BNPパリバ証券、野村証券などの企業が、連邦準備制度からの信用担保として債権を最低6か月間利用できるようになる。

3番目のメカニズムである100億ドルの 市場金利連動型投資信託融通措置は、ミューチュアルファンドやその他の短期信用ソースから資産を購入する銀行向けの緊急貸付融通措置を作成。この措置は、米国経済において信用の流れを維持することが期待される。

■カナダ 評価数値:★★★★★
政府は現金給付、課税猶予および景気刺激策を打ち出し、GDPの3%に相当する820億ドルの財政援助を展開。また、児童手当の支払いを援助し、有給病気休暇を利用できない労働者に対して救急措置を提供する見込みだ。

■スペイン 評価数値:★★★★★
ペドロサンチェス首相は、企業支援し、労働者やその他の脆弱なグループを保護するための2000億ユーロ(2,190億ドル)相当の措置を発表。政府は1170億ユーロを動かし、残りは民間企業が提供する予定です。約6億ユーロが基本的な社会サービスに投入される予定。スペインの経済生産高の20%に相当する支援策の半分は、国営企業の信用保証であり、残りは融資と脆弱な人々への援助を含む。

■ドイツ 評価数値:★★★★☆

ドイツ政府は、あらゆる規模の企業や企業に10億ユーロ(11億ドル)のクレジットを提供。クレジットは、国有KfWビジネス開発銀行を通じて5000億ユーロの経済救済措置が提供される。

また政府は企業の流動性を確保するためのいくつかの税制措置を発表。ローンの延滞金を含む財政支援は、国の公衆衛生研究所であるロバート・コッホ研究所にも提供される。ドイツの教育研究省は、ワクチンの開発のために1億4500万ユーロの支援を受けるとされ、世界中から訪れていたドイツ人観光客を本国に帰還させるために5,000万ユーロを提供。

バイエルン州南部は、地方政府が衰退しつつある企業に向けの支援措置として最大100億ユーロに相当する基金の設立を発表。250人以下の従業員を抱える企業は、5,000ユーロから30,000ユーロのローンを申請できます。この基金は、デフォルトで脅迫されている企業が行う融資の80%を保証するためにも使用されます。

オーラフ・ショルツ財務大臣は経済措置を怠ることでEUの団結を図り、これ以上の損失を避けなければならないと語った。

■ポルトガル 評価数値:★★☆☆☆

3月18日にから15日間の緊急事態を宣言し、GDPの4%以上に相当する92億ユーロ(100億ドル)の援助策を発表。観光、ホスピタリティ、テキスタイル、木材、零細企業、中小企業などの企業を支援するための30億ユーロ相当の国家支援クレジットが含まれる。柔軟な税と社会保障の支払いを可能にするために、約50億ユーロの財政刺激措置がされる。ローン返済の一時停止を実施する予定で現在交渉が進んでいる。

■フランス 評価数値:★★★☆☆

フランスは厳格な隔離措置をとっており、中小企業向けに450億ユーロ(500億ドル)の援助を公約。

■イギリス 評価数値:★★★★☆

イギリス政府は145億ドルの緊急財政刺激策を発表。英国の国民健康サービス(NHS)を援助し、企業の費用を2週間払い戻しを決定。小売およびホスピタリティ業界へ4,000億ドル相当の国家支援融資(英国のGDPの15%)を提供。

■オーストラリア 評価数値:★★★★☆

オーストラリア政府はオーストラリアのGDPのほぼ1%に当たる110億ドルに相当する財政刺激策を発表。650万人の低所得者層に対する750ドル(USD451ドル)の一括払いを決定。

さらに、この制度は120,000人の研修生を保護し、中小企業援助のために利用される。オーストラリアの中央銀行はこれを後押しするために、金利を過去最低の0.25%に引き下げた。オーストラリア政府は債券市場に介入することにより、企業の借入をより安易にする方針だ。

■トルコ 評価数値:★★☆☆☆

トルコ政府は $154億円もの経済援助措置を打ち出すことを決定。これを受けてローン返済や税控除措置が取られる予定だ。年金や企業への援助、国内渡航の税控除、社会保障支払の6ヶ月以上の延期などを提示。80歳以上の単身高齢者世帯に対し緩和ケアプログラムを開始。

■中国 評価数値:★☆☆☆☆

5億人が無職になったともいわれている。州政府は、毎月の納税申告と企業所得申告の延期を発表。上海地域では、2020年2月から4月にかけて、大企業の3つの主要な社会保険料(年金基金/失業基金/労働災害基金)が50%削減され、中小企業は100%免除される。 2019年の社会保障支払いは2020年7月1日に延期される予定。

■韓国 評価数値:★★★☆☆

韓国中央銀行は市場に資金を無制限に3か月間供給する方針を展開。銀行は0.5パーセントポイントの緊急金利引き下げを実施し、コロナウイルスによる経済的影響を緩和した。

■日本 評価数値:★★★☆☆

コロナウイルスの影響を受けた中小企業および自営業者に1兆円(96億ドル)に相当する資金援助を承認。1兆円のパッケージは、大企業にも交付され、日本政策投資銀行は、2000億円規模の軍資金を利用して、生産場所を日本に移転させたい企業を支援。
また、国際協力銀行は、主に日本企業の海外事業を支援するため、約2,500億円の資金を確保します。また、一部のフリーランサーや自営業主は、1日4,100円の補償金を受け取ることが可能。フリーランサーと非正規労働者に最大10万円の無利子ローンを提供することができるとする。もし年収が20%以上減少した場合、政府は借金を放棄することを検討。しかしこれは対象となる定義が狭いと物議を呼んでいる。

また日本政府は世界保健機関やその他の機関を通じて感染国への緊急援助のために約150億円を寄付予定。

【社会的措置】

■米国 評価数値:★★★☆☆

ホワイトハウスはコロナウイルスに関するCDCとの会議を秘匿情報に指定したが専門家であっても保安上の許可(Security Clearance)が無ければこうした会議に参加できず、必要な情報にもアクセスできない。

■中国 評価数値:★★★★☆

中国ではアリババの子会社であるアント・フィナンシャルによって「芝麻(ゴマ)信用」という仕組みが確立されている。ゴマ信用とは、中国でのモバイル決済に伴うアプリ機能で、利用者の「信用度」をスコア化する。こういった情報アプリを駆使して国民の動向を探ることが可能だ。また、大都市を中心に監視カメラも多く設置されており、コロナの最中にはドローンも使われた。つまり国民の日常生活が完全に管理・監視できる。2016年12月に「個人信用体系建設の指導に関する意見」を発表し、過去の乗車マナーに問題があったとされるべ700万人以上に対し、チケットの購入禁止などの措置を取った。まさに技術を駆使して国民統制を行うことができる国だ。

■韓国 評価数値:★★★★★

情報公開を徹底したことで、政府に対する信頼感を損なわずに済んだことも韓国の対応の評価すべき点である。アメリカや日本、イギリスで起こったような買占めやパニックが起こりにくいのも政府に対する信頼度があればこそだ。

■日本 評価数値:★☆☆☆☆

情報公開において日本の信頼は低い。日本は検査実施数が少なく、実際の感染者数は報告されている以上だろう。


このノートの主旨は危機感を仰ぐためではなく、各国から何を学び、何をしなくてはならないかを一人一人が考えるためである。また、感染者するが(傍目では)低いからといって措置を緩めていいという問題ではない。「最悪の事態を想定」して「最も脆弱な人口に配慮して」実施するのが政策だからだ。

何かを得るためには何かを犠牲にしなければならないが、状況が常に変化する保健政策展開には待ったなし。消費税のようにじわじわと展開していくことでより国民の負担を増やすことにもなりかねない。日本では特に「個人に責任がある」という見方が多いが、これは個人の問題ではなく、社会の問題であり、個人レベルで批判をする意味がない。WHOの事務局長は「政治的な問題ととらえないでほしい」と語ったが政策が人々の行動を左右する以上は断固とした政策がなされるべきだ。

参考:





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