【鳥取県琴浦町】 未利用財産を活用するサウンディングツアーの取組みをご紹介!
時代の変化により使われなくなった公共施設を民間事業者に有効に活用頂く取り組みが増えてきています。
今回ご紹介する鳥取県琴浦町では、サウンディングツアーの実施などの取組みによって、資産の利活用に向けた動きが着実に進んでいます。
琴浦町の資産の利活用について、町職員からのサウンディングツアーの事例紹介という形で紹介させて頂きます。
サウンディングツアーの目的と目指すもの
琴浦町では、廃止された施設、使われなくなった施設が増えてきていました。
これらの施設は、税金によって維持することになると、将来世代に対して負の財産となる可能性があります。
一方で、民間事業者が活用できるようになると、周辺地域の活性化、税収増加につながります。
そこで必要なのは、民間事業者にとってのニーズの把握です。
どんなニーズがあり、どのような条件であれば利用されるのか。
「行政が悩んでいても仕方ないから、まずは聞いてみよう!」
ということで、サウンディングツアーによりニーズを把握することとなりました。
サウンディングツアーの流れ
サウンディングツアーとその実施後の流れは以下のとおりです。
(琴浦町)ツアー参加募集開始・募集要領の公表
サウンディングツアーの実施
(提案者)提案書提出に先立ってのエントリーシート提出
(提案者)提案書の提出
対話、事業化に向けた協議
契約
サウンディングツアーを実施し、現地で確認、意見交換をした内容を踏まえて、民間事業者から提案をして頂くという流れとなっています。
ポイントとしては、期限を明示せず、良い提案は対話を重ねるようにしていること、提案書を簡易な様式でスタートし、提案者の負担を軽減しようとしたこと等が挙げられます。
サウンディングツアーの成果
サウンディングツアーでは、計10社から14名の参加がありました。
参加した事業者は多岐にわたり、設備工事業、サービス業、金融機関などからの参加もあり、そのうち5社は町外からの参加でした。
そして、サウンディングツアー後、最終的に8社より提案書を受け付けました。
施設別提案書受付状況
カウベルホール:2
古布庄小学校:2
赤碕勤労者体育センター:2
旧以西保育園:1
さくらの里うどん屋:1
※受付数は、団体・個人含む
参加した民間事業者からは以下のような声が寄せられました。
「実際に建物を見学できるのでよかった。」
「施設、設備詳細の説明がありイメージがわいた。」
「同時に複数施設を説明付きで回れるのでよかった。」
「目当ての施設だけでなく、数カ所の知らない施設を見ることができ、様々な規模、条件で自分のビジネスの可能性を考えることができた。」
行政側が思っていた以上に、対象施設に興味を持たれる民間事業者が多かったと感じています。
民間事業者が興味を持つ施設が、ツアーの前後で変わることがあった一方で、雨漏りなどの状況を正直に伝えても施設への関心度が変わらなかったこともあり、興味深い反応だと感じました。
留意した点と今後の展開について
琴浦町にとっても、サウンディングツアーは初めての取り組みで、試行錯誤したことも多くあります。
以下に、実施前段階で留意した点をご紹介します。
地元説明
地域に密着した施設は、地元説明を事前に実施。情報はできるだけオープンに!
施設の諸元(面積、建築)、写真、位置やドローンによる施設・周辺環境のわかる動画(YouTube)を公開。多くの媒体での露出
記者クラブ 、公共R不動産、公共不動産(PRE):国土交通省、新・公民連携最前線、日本PPP・PFI協会、金融機関
今後は、提案内容の採択を行うタイミングや、価格・条件の協議範囲等といった検討すべき事項も生じてきますが、民間事業者との対話、意見交換を行いながら、未利用財産を活用し、地域をより魅力的にするための事業を進めていきたいと考えています。