骨粗鬆症の注射ってしなきゃダメなの?
そもそも骨粗鬆症とは?
身体の組織は常に代謝という形で、古いものは壊され、新しいものが作られて入れ替わっています。骨界ではそれぞれ骨代謝、骨吸収、骨形成と呼びます。
正常な骨代謝 は 骨吸収 と 骨形成 の 均整がとれている状態
を言いますが、
骨粗鬆症はこのバランスが崩れ、骨が弱くなり、折れやすくなっている状態を指します。より重度になると、咳やくしゃみで折れる場合もあります。
骨粗鬆症の症状
膝や腰、背中の痛みを伴うこともありますが、自覚症状が乏しいのが特徴です。
「以前より身長が縮んだ」、「背中や腰が曲がる」といったことが予兆となります。
骨粗鬆症の検査
骨の強さを判定するための「骨密度」という指標が使われます。骨密度検査では、骨の中にカルシウムなどのミネラルがどの程度あるかを測定し、若い人の骨密度の平均値と比べて自分の骨密度が何%であるかで表されます。
検査方法にはいくつか種類があり、DXA法、超音波法、MD法、レントゲン等が使われます。
例えば、DXA法では、エネルギーの低い2種類のX線を使い、全身のほとんどの骨を測ることができます。一般的に腰の骨(腰椎)や脚のつけ根(大腿骨近位部)、前腕で計測します。
骨粗鬆症の治療(薬、注射)
骨粗鬆症の治療には以下の3本の柱が重要とされています。
運動 ✖ 食事 ✖ 薬物
【骨粗鬆症に対する運動】
まず運動は骨粗鬆症に対して有効である、と科学的に証明されています。
・閉経後女性では骨密度を上昇させることに有効のため、行うよう強く勧められる(推奨グレードA)
・骨折を抑制することは、行うよう勧められる(推奨グレードB)
【骨粗鬆症に対する食事】
健康意識の高い方には、すでに耳タコですが、やはりバランスのとれた食事が重要です。
その中でも特に重要なのが、カルシウム、ビタミンD、ビタミンKの3つです。
骨の原料→カルシウム:乳製品、大豆製品、野菜、魚介、海藻
カルシウムの吸収促進→ビタミンD:魚介類、きのこ、卵 + 適度な日光浴
骨形成促進→ビタミンK:納豆、小松菜などの緑黄色野菜
【骨粗鬆症に対する薬】
以下の3種類に分けられる。
・骨を壊す(骨吸収)を抑制する
・骨を作る(骨形成)を促進する
・骨形成を助ける
方法は内服や注射、点滴で、頻度は週1回や月1回、半年に1回など種類は年々増えているが、適切に血液検査や尿検査を行い、経過観察をしていないと、カルシウムバランスを崩し心疾患を発症する危険もある。
骨密度は加齢とともに、徐々に低下していく傾向があります。
内科的な原疾患といった理由がない状態で、骨粗鬆症の診断を受けた方は、その先は進行を防止するために定期的に再検査を行いつつ治療をずっと継続していくのが正しいと言えます。
しかし、著しく改善する方はまれなので、「進行を防止」するという意義に留まります。なので結局治療を挫折してしまう方が多いのが現状です。痛みといった自覚症状もなく、服薬治療の実感、効果が目に見えて実感できないので、仕方がないとも思います。うちの祖母もフォルテオという注射を自分で毎日打っていた時期がありますが、1年くらいで辞めてしまいました。
最後に
骨粗鬆症は、代謝のバランスが悪くなって骨が脆くなった状態です。症状がはっきりせず気付かぬうちに進行するので、腰の痛みで整形外科を受診しレントゲンを撮ったら「いつの間にか骨折していた」みたいなことも起こります。治療は運動、食事、薬物の3つですが、進行防止という性質上、効果を実感しにくく薬物療法は特に挫折者が多いのが現状です。
最後までお読みいただきありがとうございました。
少しでもお役に立てば幸いです。今後ともよろしくお願いいたします。
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