「ごめんね」より「ありがとう」を
「生きていてごめんなさい」
「存在しているのが申し訳ない」
という気持ちが、私は学生時代からずっとあった。
社会人になってからもその思いは変わらなかった。
ささいなことで、自分が相手に多大な迷惑をかけたように感じる。
自分はもとから何の役にも立たないゴミクズだから、期待される役割をなんとかこなすことで、価値ある人間に擬態しようと思った。
気がついたら、
「申し訳ありません」
「すみません」と、
何かにつけて息をするように謝っていた。
そんなある日、取引先のある女性と知り