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自分を信じ自分を守る
自分に自信が無かった。
自己肯定感が低過ぎて周りの人から
「何でそんなに自信無いの?」って聞かれるほど自分はダメの塊だった。
20代最後の年。
会社の事務員として働いていた。同じ制服を着た周りの女性達が何とも華やかで、かつ仕事ができるように私の目には映っていた。
彼女達は他の課の人達とも和気あいあいと仲が良く楽しそう。
そんなある日、会社の飲み会に誘われた。
皆んな賑やかに楽しそうで会話も弾んでいる。
私は初めて口にしたマッコリをテンションを上げるべく、グビグビ飲み干し結果ベロンベロンに酔っぱらって、その勢いで業務以外ろくに話した事もない他の課の真面目で寡黙な男性社員に自分のダメっぷりを呟いてしまった。
「私、仕事もできないしほんとダメなんです。」
そうして返ってきた男性社員の言葉にベロンベロンの酔っ払い女は耳を疑う。
「本当にそんな事思ってんの?他の人見てみなよ。皆んなミスばっかりでさ、何度も確認ややり直し。こっちがどんだけ大変な思いしてるか。やり直し無く完璧に上げてくるのプーチカさんだけだよ。自信持ちなよ。」と。
ナニヲイッテイルンダコノヒトハ
皆んな輝き楽しそうにパキパキ仕事をこなしているじゃないか。
せっかくの男性社員の言葉も当時の私にはただの慰めの言葉としか受け取れなかった。
30代、40代
転職をする先でも「ほらやっぱりダメ」のレッテル貼りを自分でする性格は相変わらずだった。
同僚達はキラキラ仕事ができそれを羨望の眼差しで見ている自分。
なのに何故か「こんなに丁寧に書類出してくれるのプーチカさんだけですよ。全くもう皆んな見習って欲しいです!」みたいに言われる。
アレ…ドウイウコトダ?
それが50を過ぎた頃からだ。
あれ?もしかして私ちゃんとやってる?
いや、もしかしてじゃなくてちゃんとやってる⁈って思う出来事が幾度となく起きる。
40代最後で転職した職場。
そこでミスやクレームが勃発すると「誰が」探しが始まって対応したのプーチカさんとなると
「これどういう事か説明して下さい。」
と鼻っから私が悪いていで話が始まる。昔の私だったら「ほら、やっぱり私はダメなんだ」とオロオロしていたと思う。
でもそこには昔のような「ダメな私」はもういない。
私が間違いなく依頼しているメールが証拠としてちゃんとある。処理をきちんとしてある。ちゃんと引継ぎをしている。結局は私のミスや不手際でない事がその都度証明されるのだ。
今の職場には数少ない私みたいな中年スタッフを見下す若い男性社員がいる。
最年長の私は特にその男の標的だった。
周りに気づかれないように仕向けられる冷酷な目。冷たい対応。
当初はそんな子供ほどの年の社員が怖くて仕方なかった。
もう自分は社会から必要とされない年齢なのかと悩んだ時期もあった。
でも今は違う。
そいつにとって私を攻撃できるいい問題が起こると、ここぞとばかりに物申してくる。粗探しをする。でも結局、私がちゃんとやっている証拠しか出てこない。
そう。私はちゃんとやっているのだ。
「あなたの思うツボになれず申し訳ありませんね〜」ってドヤ顔でマスクの下の鼻の穴が広がるくらい私は「ざまぁ」を心の中で呟く。
カチャカチャキーボードを叩く仕事はお得意でしょうが、こっちはあんたより30年長く人間やってんだよ!人生経験が違うんだよ!と私の口からは言わないけど、恐らく私から放たれるオーラが言っている。
今ならわかる。
20代の時に働いていた会社でベロンベロンに酔っ払った私に「自信持ちなよ!」と言ってくれたあの言葉が。
勿論、疑われる事は傷つくし頭にくるけど、そのおかげで私はちゃんとやっているという自信を持つ事ができたし、きちんとやった過去の自分が今の私を守ってくれたんだと思わずにはいられない。
気付けば50代。
できてないのに自分はできてると羨ましい勘違いをしている自己肯定感が高い人やちょっとは気にしなよと思うくらい全く気にしない人だっている。
あの頃の私は周りは皆んな私よりできて輝いて見えたけど私が感じていた完璧な人などいないのだ。
この職場で後何年働けるかわからないけど自分が自分を人と比べる事はもうしない。
自分のままでいていいんだって思う。