「身体を育てる」ということ
「トレーニング効果を感じない」という方へ
よく「トレーニングで効果を出すために」といったようなテーマで書くことが多いのですが、
トレーニングとは何なのか?トレーニングの本質とは?を知らないまま(教えられていないまま)トレーニングを始めると、特にこの問題にぶち当たるので今回も。
まず「トレーニングとは成長するためにやるもの」です。
そのためには「継続的に」「漸進的に」「試行錯誤しながら」取り組んでいく必要があります。
長年トレーニング指導をしていると、
「トレーニングの効果を感じない」と言ってやめていく方も沢山おられました。
その時は、申し訳ない気持ちでいっぱいでしたし(もちろん今でも)、残念な気持ちもいっぱいでした。
しかし、効果を感じて頂くことに関する”絶対的な”トレーニング方法はありません(と僕は思ってます)
それは、目的や既往歴、トレーニング歴、性別、年齢、モチベーション、性格などの個体差が多々あるから。
ですので「これをこれくらいやっていれば必ず効果がでる!」とは言えません。(と僕は思ってます)
トレーニングの効果とは?
トレーニングの効果の中には、様々な効果があります。
即時効果や急性効果、蓄積効果や遅延効果など、すぐに変化が出るものもあれば、中々変化を感じないもの、忘れたころに気が付いたら変わってたというものなど、様々です。
トレーニングとはそのような効果の過程をたどりながら、やがて”順応”していくことで変化を感じにくくなっていきます。
ですので、「効果を感じない」という方は、
「即時的、急性的な効果に気づいていない」「順応レベルになっている」
※順応レベルというのは決して「トレーニング経験者」だけが感じやすいのではなく、現状のレベル内でのトレーニングしかできていない場合も起こる
ということが考えれれます。
即時的な効果とは「トレーニング直後やトレーニング中に感じる効果」であり、急性的な効果とは「トレーニングによる初期の適応」になります。
これは多くのお客様に言えることですが、トレーニング中に柔軟性や可動性が一時的によくなったりして、
それを繰り返し行うことで、動作のテクニックが上手になっていたりします。
この変化に気づかないまま、
「(劇的な)変化を感じれずに諦めて(離脱して)しまいます」
また、トレーニング歴が長い人などに多い
「伸びしろの少なさ」=「順応」というのもあります。
これは目指すレベルによって”伸びしろ”を増やしていくことはできますが、それと同時に
「トレーニングレベル」を上げていかなければいけません。
これはトレーニング初心者にも言え、
「自分にとって満たされたレベルでのトレーニングに終始している」場合です。
自己流のトレーニングの場合に陥りやすいです。
芽が出て花が咲き実るまで
このようにトレーニングというものは、ある程度の時間をかけて、
刺激 ⇒ 適応 ⇒ 変化 ⇒ 新たな刺激 ⇒ 適応 ⇒ 変化…というのを繰り返しています。
どのくらいの期間が掛かるかは人によりますが、
即時効果(当日から数日)⇒ 急性効果(数日から数か月) ⇒ 遅延効果(数か月から数年)
といった感じです。
なんでも同じかもしれませんが、効果を感じるということは
種をまき、水をやり、温度を管理し、やがて芽が出て、成長して花が咲き、実が実るといった
植物を育てる過程と同じで、
”芽が出て花が咲き、実をつけるまでが大変”だと言えます。
トレーニングとは「身体を育てること」です。
まずは地道に辛抱強く、継続的に頑張ることが何よりも大切なのです。
我々人間の身体は「これをやれば必ず誰もがこうなる」みたに単純ではありません。
トレーニングの本質を知って頂くことが多くの方に必要です。