大学卒業後の進路について
こちらは2023年5月7日、深夜の酔っぱらいの戯言です。
今、ちょっとだけ酔っ払いながら当時のことを言う。99%の人にとってはどうでもいいことだ。それでも、進路に悩む1%の学生には届けたい話ではある。
当時大学4年生だった私にとって、通常どおり臨床に出て働くか、大学院に進学するかは、すごく悩むところだった。と言うより、将来的にスポーツ整形領域に進むかさえも悩みの種だった。
なぜかと言うと、大学2-3年生の頃に先輩に言われた言葉が呪文のように残っていたからだ。
「スポーツ整形は厳しい」
「スポーツに行く前に一般整形やれ」
「大学院は臨床で3-5年して疑問が湧いてからだ」
その全てのアドバイスが、ある側面からみれば正しい見解なのかもしれないし、おおよそ間違っているものではなかったとも思う。
とはいえ、PT学科の学生がストレートで大学院進学することを否定する要素は一つもないし、選択肢のひとつと捉えていいと個人的には思う。
スポーツ選手に携わるということは甘くはないが、それは一般整形だって変わらないし、中枢・内部疾患の方と関わる立場であっても何ら変わりはない。ヒトひとりの悩みとカラダに向き合うこと自体、簡単なテスト問題を解くように上手くいくはずもない。常に研鑽を繰り返しながら、少しでもニーズに応えられるようなものを提供できるよう努力し続けることしか方法はない。少なくとも凡人の私ならそう考える。
スポーツ整形外科に将来的に勤めたいと思うPT学生に伝えたい。
あなたのその意思は当然尊重されるべきであり、そのリアルを経験してもいない大学の先輩やら、身近な先輩PTの意見のみを聞いて意思決定をするものではない。
スポーツ整形に進んでから一般整形を経験してもいいし、一般整形を経験してからスポーツ整形に進んでもいい。と言うかそもそもそこにそんな明確な境界はない。どちらも大事であるとしか言えない。
大学卒後すぐに大学院に進学してもいいし、大学卒後からどんどん臨床経験を積んでもいい。10年経てばどちらを先に選択しても研究も臨床も取り返せる。
いいや、これは嘘だ。
正確には、臨床も研究も10年やそこらでできたと言えるものではない。新たな課題を見つけ、その解決に向かって努力する道筋がやっと理解できるレベルだ。
10年以上経って、自分のやりたいことをやっているのは、と言うか今の仕事を楽しんでやっているのは、最初から最後まで情熱を失わなかったひと、一貫して色褪せなかったひとたちだ。いいや、もっと違うタイプの人たちだっている。
話の向かう方向がよく分からない感じになってしまったけど、学生当時からちょびっとだけ年老いた研究者として、臨床家として伝えたいことはこうだ。
世の中に早すぎるとか遅すぎるということはないし、過去の事例が常に正しいということはない。
大事なのはあなたが何をしたいかであって、それを実現するためにどうしたらよいか、どういう人と付き合ったらよいかなのだ。
あなたの挑戦を何の根拠もなしに否定してくる(年齢だけの)先輩とはこっそり距離を置けばいい。実習地のスーパーバイザーも例外ではない。
大丈夫。
悩んで、悩んで、 それでたどり着いた答えなら、 きっとそれがあなたの答えだ。
それが正しかったと言えるように、 後でいくらでも修正できる。
これがスポーツ整形領域を心底面白いと思うひとりの現役PTの見解だ。