【棗いつき 9th Album】HYPNOSONIC感想(前編)

(本投稿にはネタバレに関する内容が含まれます。)

こんにちは。おはようございます。

トレミーと申します。

2023秋M3お疲れ様でした!
私の初M3は同年春でしたので今回は2回目の参加でしたが、やはり直接お礼を言えるイベントとは良いものですね!

さて今回はタイトルにある通り、今回は1オタクの感想書き散らしになります。ネタバレはもちろんのこと、語彙力が著しく低下した表現を始めとするオタク特有の表現が苦手な方表現の解釈違いに敏感な方におかれましてはブラウザバックを推奨しております。ご了承下さい。

また今回は「前編」になります。
「後編」は10万字の超大作を読み切ってから改めて6曲分の感想を書かせて頂こうと思ってます。そのため特に特典小説を内容をご存知の方にとっては解釈のギャップが凄まじいと思いますので、くれぐれもご注意下さいませ。
ではでは早速。



01.イノリゴト

M3直前に公開された一曲。作曲はらぷり等でお馴染み、みんな大好きかそかそさん。
圧倒的透明感!!!まず一巡した感想はそれでした。もうね、曲が透き通ってるの。サビ始めの駆け上がるようなドラムの疾走感、そこに重なるたむの高音がこうスーッと入ってくる。
じゃあさぞ歌詞は前向き全速前進、未来の希望に満ち溢れた明るい歌詞なのかな!って思って二巡目以降を落ち着いて聴くと、なんとイメージとは全く違う歌詞のアプローチが飛んできたものですから…もう車内で震えてました。なんなら当初想像してたものと真逆と言ってもいいくらい、例えるなら「インドアアドベンチャー」から「純情サクリファイス」がお出しされたくらいの衝撃です。この曲の歌詞としては思春期特有の細やかな感情表現や想いの揺れ動きなど、この時期のポジティブな側面ではなく、むしろもっと黒くドロっとした側面が強調されているイメージです。自分の在り方に悩み、嘆き、反発せんとする少し鬱々情景とした歌詞は、しかしながら非常に繊細で思わずふぅとため息が漏れそうなほど美しく、また曲調の感情の昂りと共に音階が不安定に揺れ動く様と併せて、もはや一種の芸術品ですね。
そういった感情の乗った歌声に心動かされない訳もなく。全体を通してものすごく丁寧に歌い上げられてる印象でした。普段が雑って意味では決してない。多感な時期の情緒表現って何にしても難しいんですよね。自分の中高生の頃思い出して貰うとわかりやすいと思うんですが、あの時期って感情のバリエーションが増えることに対しての出力が追いつかないんですよ。要するにこの時期の表現ってのは当事者ですら難しい訳です。だからといって適当なイメージで造形すると現実味のないチープな内容になったり、ありきたりな出来になってしまったり。その点、完璧じゃあないですか?ウチの推しは???もうね、JKを完璧に憑依させてるの。(褒めてるのかこれ?)限りなく生身に近い感情表現がめっちゃ素敵です。
総じて完成度と満足度の非常に高い一曲でした。ありがとうございます。

02.無条件Surrender

M3当日まで未公開の新曲その1。
ちょっとオシャレなダンスホール。これがまず開始2秒のファーストインプレッションでした。ダンスはダンスでも1人で舞い踊る方ではなく、手を引いて一緒に踊りませんか?ってしてくれる上品さがあります。それでいながら曲全体として見るとかなりパッションが弾けてる印象が強く残りましたね。上品さや気品さといった要素とパワフルな要素は一見するとチグハグにも聞こえがちですが、そこは安定と信頼の我らが棗いつき。完璧な要素の同士のバランス。ちょっと背伸びをして大人への一歩を踏み出してみた高校生、みたいな表現が自分の中で一番しっくりきました。これが合ってるのかは知らんけど…
自分の中でのお気に入りはサビの「La la la Love’n you」でガンガンと駆け上がってくとこですね!オタクこういうの好きなんですよ〜歌詞もしっかりグイグイ来る感じの純愛寄りで素直に響いてきますし、そうなると尚のこと盛り上がりの山は一層際立って印象に残りますね。というか純愛寄りの歌詞って言いましたけどこの曲の歌詞、めちゃくちゃイケメンじゃないっすか???いやたむはイケメンに違いないんですけど…「今宵迎えに行くよ」なんて、もう普通に白馬の王子様じゃないっすか…!(誰か白馬の王子様概念たむの供給をくれ)らぷりの「キボウノホシ」の時みたいな常時上から目線のイケメンたむの需要って、確かに存在するんですよ!この曲はしっかりそのニッチな需要抑えてくれてます。ありがとう。

03.Seacret of my heart

M3で販売された曲の中で最も先行公開の早かった一曲。
今回のアルバムの中で一番のしっとり曲。小気味よいリズムから繰り出されるのは、切ない片想いの恋情が綴られた歌詞の数々。これ家で大人しく1人でゆっくり聴くのも勿論いいんですけど、学校や会社からの帰り道、特にちょっと街灯が減ってきた暗がりの夜道とかで聴いてみて下さい。やばいっすよ、もうエモすぎて身体の蒸発待ったなしです
しっとり系というだけあってサビまで含めても歌声もかなり落ち着いた、ちょっと囁き声のような表現の歌声が特徴的でした。それが特に顕著に出てるのが各サビ最後の歌詞、「キスして」の所。もうやんばいこれ。ここだけバックのドラムとかがスーっと引いて、たむの声だけが一層際立つんですね。そこでこれですよ。今まで決して外に出せなかった感情を、全身全霊の勇気で、振り絞ったかのような湿度たっぷりの「キスして」。生きてるうちに聴けて本当に良かったよ…両想いのLoveも好きだけど、やっぱりこういう片想いのBig Loveからしか摂取できない栄養素ってあるよね…
甘酸っぱくて少しほろ苦い、キュンキュン間違いなしの神曲です!(ここまで書いといて小説の方で実は…とかされたら泣くけど、大丈夫かな…)

04.夏の残り香

M3当日まで未公開の新曲その2。
タイトルと曲の中身のギャップがすごい。
私、世代的にカゲプロがめっちゃ好きなんでサマータイムレコードとかすごい聴いてたんですよ。なので「夏」「残り香」のワード2つで連想されたのは、夏祭りの終わり、さっきまで人混みだった場所が閑散としてしまった、どことない寂しさを歌う、そんな情緒の曲なのかなー、と。クッッッソカッコいいが!?!?!?寂しさの情緒どころか、もっと不気味でドス黒い、おどろおどろしい一曲でした…!
まず一巡聴いて、(勝手に)ギャップで頭を焼かれ、ちょっと落ち着いてから歌詞カード確認したんですが、もう内容があまりに不穏すぎて…なんだこの闇堕ち感溢れるフレーズの数々…ますます小説の内容が気になる所です。
さて、この曲の根幹を成すサビですが、誰かに訴えかけるようなドロドロした内容にも関わらず、歌声としては聴いていて爽快感すら感じる力強いサビの入りの印象が強いです。あと個人的に好きなのはサビ後の間奏で囁かれる「Eins…Zwei…Drie…Vier…」のゾワっとするようなカウントダウンですね。囁きたむの需要、尽きることなし。何のカウントダウンかはじっくり小説を堪能してから考えるとしても、ドイツ語のカウントダウンなのは厨二心がくすぐられますね!
厨二病全開にした時の曲調とたむの声の親和性は素晴らしいですよね…サビから間奏まで延々と脳内で無限ループされる中毒性がある一曲でした!

05.Son macable

M3当日まで未公開の新曲その3。
今回は造語版ではなく、アルバム収録の方で。まだ小説読んでないからね!何故の造語版なのか楽しみなところです。
さて、この曲はそうですね…
たむワールド、全開ッ!!!
圧倒的!!圧倒的、治安の悪さッ!!!

そう!!私たちの大好きなクソ治安たむ楽曲でした!!!人によって何をもって治安の良し悪しを決めるかは様々ですが、人をモルモット呼ばわりする歌詞で治安がいい訳ないと思ってます。
曲全体としてはめちゃくちゃカッコいい!ガンガンアガっていけるタイプの曲です。とはいえハードコア的な感じでもなく、今までの曲なら「anti-corruption」「Limitless」のような曲調かというとそうでもなく、雰囲気はらぷりの「禁断の愛と魔剣」に近しい、中世欧風、厨二病溢れるオーケストラ感ある一曲に仕上がってます。雰囲気はラスボス・黒幕のテーマって感じでしょうか。曲全体を通して終始、玉座みたいなとこから「凡夫共が…愚かな(フッ)」みたいなノリ。
ここまで治安が悪化してると、声の乗りも良いんでしょうか。歌ってるたむの声もめっちゃ気持ちいいですよね!聴いてるこっちまで清々しくなる見事な歌いっぷりです。いやーカラオケ入んないかな…今回全曲instあるし、ワンチャンないですか。あと、この曲のサビ頭、「あゝ」の高音ロングトーンが聴いててめっちゃ好きなんですよ!先述しためっちゃ気持ち良い声の通りはもちろん、音程にブレがなく高音にも関わらずめっちゃ安定感があるんですよ。ここの部分だけでも無限に聴けますよこれ。その後の「Danse fort〜」から始まる部分もめっちゃテンポ良く聴いててクセになりそうですね!そしてそして曲全体、間奏でのコーラスパートもめっちゃカッコいいんだな!これが!一生アドレナリンが出て止まらん。
ちなみに、タイトルの「macable」もとい「macabre」にはどうにも「死の舞踏」という意味があるようで、呼び覚まされた死者たちの踊りとな…これ、ますます小説が気になるな…あと、この「Son」って何すか、なんで6曲目と被せてるんすか…??憶測だけじゃキリがないのでこの辺でやめにしておきましょう…ただこの香ばしいくらいの更なる治安悪化の匂いは、もはや安心感すらあります。こっから小説で見方が広がるのは楽しみですが、これ単体でも相当楽しめる厨二病感満点の一曲でした!

06.Son joyeux


全俺が、泣いた。

…失礼。
M3当日まで未公開の新曲その4。
私聴いたのはM3当日の夜だったんですが、同日に引っ越しの作業と重なってたこともあり(なんで?)、それはもう心身共に疲労困憊といった様でした。でもなんとかたむの新譜だけは聞きたいと死に体に鞭打ち、イノリゴト、無条件Surrender、Seacret of my heart、夏の残り香、Son macableと続いた6曲目。エグないか!?これは!?確かに約1週間前に公開されていたクロスフェードからも自分の神曲センサーがガンガン反応していた曲ではあったんですが、自然と涙が溢れてきたのは久しぶりの経験でした。それもそのはず、こちらの曲の作詞・作曲はあの「AIとCodeQの果て」「Garbage Flower」の生みの親、RDさん!今回も期待を超える一曲をありがとうございます。
早速ですが語りたくてたまらない盛り上がりのピーク、サビから。ここに至るまでのAメロはかなり落ち着いた雰囲気で、どちらかといえばかなり淡々とした印象でした。続くサビ前のパートは、ゆっくりと階段を上がっていくような、緩やかな盛り上がりを作っていくんですね。ジェットコースターが落ちる直前の「今から、来るぞ…来るぞ…!」みたいな期待感が嫌でも腹の底から掻き立てられます。そしてそこからあのサビですよ!!!まるで一気に視界が開けたかのような解放感を、全身の細胞で浴びるあの高揚感はただでさえ脆いオタクの情緒を粉々に破壊していきます!ありがてえ。そしてここに乗るたむの歌声ですよ!!!たむの持ち味でもある伸びのある高音は本来語るまでもないですが、この曲のサビはその持ち味を200%引き出しています。涙腺破壊力の8割はここに詰まってると言っていいでしょう。曲全体を通した緩急のついた声使いもめちゃくちゃ素敵ですし、そうそう歌詞もね、良いのよ。雄大なサビから味わえる歌詞の包容力ってのは半端なくって、とりあえず聞けば「ああ…俺、生きてていいんだな…(涙)」ってなるの。
そして、あのラスサビよ!!!

こっからまだキー上がるの???え???

おい!!!やめろ!!!○人が出るぞ!!!

たむの音楽で俺が○ぬ!!!

ぐわあああああああ!!!(絶命)



…ここまでみなさん共通の感想かと思います。
すごいよなぁ…あの出だしからたっかい高音のサビのキーが更に半音上がるんだよ???いや確かに半音上がるラスサビの盛り上げ方ってのはありふれてる万能な作りだけどさ…!でも、1サビ聴いた時に「ああ、これはラスサビでもキー上げられんな。元から高すぎるてこれ。」からこのラスサビ出されたらテンションおかしなるて。オタク君ただでさえ弱々なんだからさぁ…ティッシュ足りなくなりますってこれ。みなさんは私を反面教師にして、ちゃんとバスタオルをご用意の上でお聴き下さい。私の家のティッシュは枯れました。こっからまだ10万字の小説が待ってるんですって。ああ恐ろしい。
神曲、間違いなしです。ありがとうございました。


というわけで以上6曲でございました。
現状、個人的には6曲目の「Son joyeux」の刺さり方が頭一つ抜けてエグかったです。これが果たして小説を通してどう変わっていくんでしょうか。いやー楽しみだ!
では私の息があれば【棗いつき 9th Album】HYPNOSONIC感想(後編)にてお会いしましょう!

→後編はこちらから https://t.co/FMdupQWsr9

お目汚し失礼しました。
トレミーでした。

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(アフェリエイトではありません。悪しからず。)


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