クライバーンコンクール:セミファイナル5日目(最終日)の見どころ
クライバーンコンクールセミファイナルも、いよいよ最終日。最後は、ソロリサイタルが4名残っています。日本時間で6/13(月)早朝4時30分から2名、9時30分から2名が演奏したのち、日本時間の6/13(月)昼過ぎにはファイナリスト6名が発表されます。
6/13(月) リサイタル【5】
6/13(月) リサイタル【6】
ファイナル最終日には、ベラルーシ、ウクライナ、韓国、ロシアのピアニストがステージに立ちます。
6/13(月) リサイタル【5】
4:30am Uladzislau Khandohi(ベラルーシ、20歳)
ラヴェル:夜のガスパール
ラフマニノフ:練習曲集「音の絵」Op.39 より 第2、3、4番
ラフマニノフ:コレルリの主題による変奏曲 Op.42
ベラルーシの20歳、Uladzislau Khandohiのプログラムには、奇しくも日本の2人がセミファイナルで演奏したラヴェル「夜のガスパール」(亀井)、ラフマニノフ「コレルリの主題による変奏曲」(田所)が並びました。ぜひアーカイブを通じて聞き比べをお楽しみいただきたいところです。それぞれ、頭出ししておきます。
亀井聖矢 ラヴェル:夜のガスパール(オンディーヌ・絞首台・スカルボ)
田所光之マルセル ラフマニノフ:コレルリの主題による変奏曲
5:50am Dmytro Choni(ウクライナ、28歳)
ブラームス:2つのラプソディ Op.79
スクリャービン:ピアノソナタ第4番 嬰ヘ長調 Op.30
ドビュッシー:映像 第1集
ヒナステラ:ピアノソナタ第1番 Op.22
ウクライナのセミファイナリストDmytro Choni(28歳)のプログラムは、ドイツ、ロシア、フランス、そしてアルゼンチンの作曲家アルベルト・ヒナステラ(1916-83)と、音楽の世界旅行といった趣き。それぞれに非常にオリジナリティの強い音色が要求されるこれらの音楽をどう描き分けるか、その多彩なパレットに注目です。
6/13(月) リサイタル【6】
9:30am Jinhyung Park(韓国、26歳)
プロコフィエフ:ピアノソナタ第6番 イ長調 Op.82 「戦争ソナタ」
シューマン:幻想小曲集 Op.12
ドイツのハノーファー音楽演劇大学で名教師アリエ・ヴァルディ教授に学ぶJinhyung Park(韓国、26歳)は、セミファイナルに来て初めてロシアの作品を入れてきました。プロコフィエフの「戦争ソナタ」の愛称を持つ第6番、第7番、第8番は、いずれもピアノコンクールでも頻出の名曲ですが、ここでは第6番。クォーターファイナルで、同じくセミファイナリストのUladzislau Khandohiが披露していました。組み合わせるのは、シューマンの豊かな音楽世界が広がる小品集「幻想小曲集」。「夕べに」「飛翔」「なぜに」「気まぐれ」「夜に」「寓話」「夢のもつれ」「歌の終わり」と、それぞれに魅力的な8つの小品から成っています。
Uladzislau Khandohi プロコフィエフ:ソナタ第6番
10:50am Anna Geniushene(ロシア、31歳)
ベートーヴェン:7つのバガテル Op.33
ヴェルディ=リスト:「アイーダ」より 神前の踊りと終幕の二重唱 S.436
プロコフィエフ:ピアノソナタ第8番 変ロ長調 Op.84 「戦争ソナタ」
セミファイナルのトリを飾るのはAnna Geniushene(ロシア、31歳)。協奏曲での熟達した音楽作りが印象的でした。ベートーヴェンの繊細な「バガテル集」から入り、ヴェルディのアイーダ・パラフレーズは2013年の阪田知樹さんの名演がよみがえります。
阪田知樹(2013)ヴェルディ=リスト:「アイーダ」より「神前の踊りと終幕の二重唱」(頭出し済)
そして、最後は今回のクライバーンコンクールのテーマ曲かのように多くのピアニストが選択しているプロコフィエフのソナタ第8番。すでに多くの名演が披露されましたが、最後も、このソナタでソロのステージが締め括られます。
セミファイナルが終わると、大きな協奏曲2曲を演奏する「ファイナル」に進出する6名が、いよいよ6/13(月)昼過ぎに発表されます。