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クライバーンコンクール:セミファイナル4日目の見どころ

セミファイナルも後半、4日目に突入です。コンチェルトはこの日が最後。最終5日目はソロリサイタルのみとなります。4日目も、日本時間の早朝4:30からソロ2名、9:30からコンチェルト4名のフルコースです。

リサイタルの2人目、日本時間の6/12(日)早朝5:50頃から、田所光之マルセルさんが登場です。これで日本の2人の出番は完了ということになります。

コンチェルトはこの日も、第20番が2人、それ以外が2人、の構成です。


6/12(日) リサイタル【4】

4:30am Honggi Kim(韓国、30歳)
 (20分休憩)
5:50am Marcel Tadokoro 田所光之マルセル(フランス/日本、28歳)

6/12(日) コンチェルト【3】

9:30am Clayton Stephenson(アメリカ、23歳)
 協奏曲第21番 ハ長調 K.467
10:00am Changyong Shin(韓国、28歳)
 協奏曲第20番 ニ短調 K.466
(休憩)
11:00am Yunchan Lim(韓国、18歳)
 協奏曲第22番 変ホ長調 K.482
11:30am Ilya Shmukler(ロシア、27歳)
 協奏曲第20番 ニ短調 K.466


6/12(日) リサイタル【4】


4:30am Honggi Kim(韓国、30歳)

Honggi Kim

ラフマニノフ:10の前奏曲 Op.23
アダムズ:中国の門
バーバー:ピアノソナタ Op.26

リサイタルの1人目は、Honggi Kim(韓国、30歳)。韓国では、最年少Yunchan Limと同じKorean National University of Arts(韓国国立芸術大学)で名教師イム・チョンピル教授らの薫陶を受けたのち、ドイツに渡り、アルヌルフ・フォン・アルニム教授、アンティ・シーララ教授に学んで、数多くの国際コンクールで上位入賞しています。

Honggi Kimのリサイタルは、アメリカ、を強く意識したもの。そしてさらに言えば「クライバーンコンクール」をも意識したものと言えるでしょう。ジョン・アダムズ(1947~)は現代アメリカの作曲家で、「中国の門」(1977年)は、なんといっても2013年のクライバーンコンクール予選で、優勝者のヴァディム・ホロデンコが演奏したことが記憶に残ります。

そして、サミュエル・バーバー(1910-1981)も、アメリカを代表する作曲家。「ピアノソナタ」は彼のピアノ作品の代表作で、特に第4楽章の「フーガ」がよく知られています。前回のクライバーンコンクールから、銀メダルのケニー・ブローバーグの演奏で。

ラフマニノフの「Op.23」の前奏曲集(全曲)と、アメリカの作品群。対比的な2つの要素を並べた印象的なプログラムで勝負します。


5:50am Marcel Tadokoro 田所光之マルセル(フランス/日本、28歳)

田所光之マルセル

ラモー:クラヴサンのための第2組曲 ホ短調 RCT2 より 「鳥のさえずり」
スクリャービン:3つの練習曲 Op.65
ラフマニノフ:コレルリの主題による変奏曲 Op.42
ドビュッシー:夜想曲
ブラームス:パガニーニの主題による変奏曲 第1巻・第2巻

田所マルセルさんは、メインディッシュを並べるようなプログラムが多いセミファイナルにあっても、プログラムのヴァラエティで勝負します。まずは、1次・2次同様、フレンチ・バロックの小品で軽やかに幕を開け、スクリャービンの最後の練習曲集とラフマニノフの晩年の名曲「コレルリ変奏曲」でロシアの世界を描きます。いったんドビュッシーでフランスに戻ってきたのち、最後は、予選でも複数のピアニストによって演奏された難曲、ブラームスの「パガニーニ変奏曲」第1巻・第2巻全曲演奏で締めくくります。聞くほうにとっては多彩な音楽が楽しめますが、弾くほうには、キャラクターの変化と強靭なスタミナが要求されるプログラムです。


6/12(日) コンチェルト【3】


9:30am Clayton Stephenson(アメリカ、23歳)
協奏曲第21番 ハ長調 K.467

Clayton Stephenson

10:00am Changyong Shin(韓国、28歳)
協奏曲第20番 ニ短調 K.466

Changyong Shin

11:00am Yunchan Lim(韓国、18歳)
協奏曲第22番 変ホ長調 K.482

Yunchan Lim

11:30am Ilya Shmukler(ロシア、27歳)
協奏曲第20番 ニ短調 K.466

Ilya Shmukler


いよいよセミファイナルもクライマックスです。

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