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クライバーンコンクール:セミファイナル1日目の見どころ

第16回ヴァン・クライバーン国際ピアノコンクール、初日は現地時間で夜の部、2人のソロリサイタルのみです。とは言っても、1人が1時間ずつ弾きますから、それだけでたっぷり2時間のフルリサタイルを聴くのと同じボリュームです。

6/9(木)リサイタル【1】 ※日本時間

9:30am Yutong Sun(中国、26歳)
 (20分休憩)
10:50am Masaya Kamei 亀井聖矢(日本、20歳)

9:30am Yutong Sun(中国、26歳)

Yutong Sun

アルベニス:「イベリア」第1巻 より 「セビーリャの聖体祭」
ショパン:ポロネーズ第5番 嬰ヘ短調 Op.44
リャトシンスキー:前奏曲 Op.44-4
リャトシンスキー:前奏曲 Op.38-3
プロコフィエフ:ピアノソナタ第8番 変ロ長調 Op.84 「戦争ソナタ」

セミファイナルのトップで登場するのは、ショパンコンクール以来すっかりおなじみになった、Yutong Sun(中国、26歳)。7月には来日リサイタルも控えている実力派ですが、セミファイナルのプログラムは練りに練られています。ボリス・リャトシンスキー(1895-1968)はウクライナの作曲家で、スクリャービン等の影響を受け、弟子には同じくウクライナの作曲家として人気のあるシルヴェストロフらがいます。冒頭のアルベニスはスペイン・カトリックの祭典を表した宗教的背景を持つ作品。ショパンは故国ポーランドへの想いの詰まった傑作です。そこからウクライナのリャトシンスキーを経て、プロコフィエフの孤高の「戦争ソナタ」第8番へ。プロコフィエフも、実はウクライナ東部の地域に生まれた縁のある作曲家です。コンクールにとどまらない、ユトン・ソンの深く熱い「今」の思いを感じ取りたい意義深いプログラム、必聴です。
ここでは、昨年のショパンコンクールでも名演だったポロネーズ第5番を予習。


10:50am Masaya Kamei 亀井聖矢(日本、20歳)

Masaya Kamei

ベートーヴェン:ピアノソナタ第21番 ハ長調 Op.53 「ワルトシュタイン」
リスト:パガニーニ大練習曲第3番「ラ・カンパネラ」
ラヴェル:夜のガスパール
バラキレフ:東洋風幻想曲「イスラメイ」

続いて登場するのは、期待の亀井聖矢(日本、20歳)。長く愛奏してきた得意の作品をズラリと並べて、思う存分に亀井ワールドを描きます。亀井さんについては、今さら紹介は不要でしょう。過去の動画を振り返りつつ、ここからのさらなる成長を楽しみに、のびのびとした彼らしい演奏を期待して応援したいと思います。

ベートーヴェン:ピアノソナタ第21番「ワルトシュタイン」

リスト:ラ・カンパネラ

バラキレフ:イスラメイ


ユトン・ソンと亀井聖矢。日本でも大人気の二人の熱演に、セミファイナル初日から目が離せません。

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