認定理学療法士試験にセラピストの闇を見た
私は認定理学療法士の資格を持っていますが、トップ写真にあるように残念ながら不合格となった過去があります。
2022年度より新制度に移行しますが、私が受験した当時、認定理学療法士になるには、
①研修会や学会参加・発表でもらえる生涯学習ポイントを規定通り申請する
②一定の基準を満たした10例の症例レポートを提出する
③筆記試験に合格する
これら3つの条件を満たすと認定理学療法士になることができます。私は②③のレポートと筆記試験は合格しましたが、①のポイント申請に不備があり不合格となりました。
申請に必要なポイントはあったのですが、申請の仕方に不備があったのでした。ダメもとで再申請できないかと協会に掛け合いましたが、やはりダメでした。
ここで、ポイント申請や症例レポートの合否がわからないまま筆記試験を受験する試験制度に多少の理不尽さを覚えました。
試験料もタダではないですし・・・
不合格のショックと理不尽さを感じてモヤモヤしていたところ、ネット上のセラピスト掲示板で自分と同じ状況の人がプチ炎上してたのを見つけて驚きました。
その方も私と同じく、ポイント申請の部分で不合格となっており、試験制度の不備や協会の対応に対する不満を述べていました。
私も「そうだよね~、わかるわかる!」と激しく同意していたのですが、発言に対するレスや関連するブログなどを見ると、
「きちんとポイント申請をすることで社会人スキルが問われている」
「そもそも試験の規定にも、申請に不備があったら不合格と書いてある、みんなができている事ができていないだけ」
こんな感じで、批判的なコメントも目につきました。
「わかるけど、なんだかなぁ」と思わずにはいられませんでした。
社会人スキルうんぬんに関しては、これが新人の登竜門である新人教育プログラムの修了申請なら理解できるのですが、これは認定理学療法士試験です。
臨床現場で経験を積んだセラピストが、専門的な知識を兼ね備えているかを判定する事に特化した試験ではないのでしょうか?数字パズルのような煩雑なポイント申請過程が選定基準だというのは、説明として無理があります。
何のために10症例もレポートを提出しているのでしょう、そこでの洞察力、判断力、実行力、文章力などで社会人スキルって判断できませんか?
また、ポイント申請の不備があったら不合格は理解できるのです。それが筆記試験までやらないと最終的にわからないことが問題なのです。
この方も、事前に「ポイント申請に不備があったので筆記試験は受験できません」と通達があれば、理解は得られたでしょう。
そもそもこれは、協会が試験制度をきちんと作り込めなかったツケが、ある会員の不利益を生む結果となってしまい、その人は感じた理不尽さを訴えただけです。
それなのに、その人を無関係な外野が理屈でやり込めている様子にいたたまれなさを強く感じました。
「みんながやっているんだから、そのようにできないとダメ」
どの業界にもある同調圧力ですが、他人に寄り添うことを生業とするセラピストが、ネットという環境になるとその本分を忘れてしまうのは悲しいことだなと思った出来事でした。
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