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【有料版】健康科学の教科書|第1章 糖質

健康的な生活習慣を手に入れるためには第一に食べる物、つまり栄養について見直す必要があります。
3大栄養素のうち最もよく取り上げられるのが炭水化物ではないでしょうか。
近年の予防栄養学では特に炭水化物についての研究が盛んに行われています。
なぜなら糖尿病患者が90年代から急激に増加しているからです。
『糖質制限』『糖質オフ』『ローカーボ(ロカボ)』などの言葉が浸透したのはまさに健康を害していた真犯人が糖質であったからに他なりません。
糖質について正しく理解したうえで、必要な量だけを摂取するようにすると健康を維持できます。

糖質の基礎

炭水化物は糖質と食物繊維からなります。
食物繊維に関しては最も重要な栄養素となりますので第7章で詳しく述べます。
ここでは糖質について詳述します。

糖質はエネルギー源です。
ご飯、パン、麺類、果物、野菜、お菓子やケーキなどの甘い物、牛乳などに含まれます。
これらを食べるとまず次の二糖類まで分解されます。

  • マルトース(麦芽糖)

  • スクロース(ショ糖)⇐お砂糖はこれです。

  • ラクトース(乳糖)

これらはさらに消化酵素によって次の単糖類に分解されます。

  • マルトースはグルコース(ブドウ糖)2つ

  • スクロースはグルコースとフルクトース(果糖)

  • ラクトースはグルコースとガラクトース

なかでもブドウ糖(グルコース)が最も重要なエネルギー源と言えます。
なぜなら私たちの『脳』という臓器はグルコースしかエネルギーにできないからです。
上記すべての二糖類にグルコースが含まれているということから、脳細胞はグルコースをエネルギー源として選択して進化したのかもしれません。
ただしグルコースを利用するには膵臓のβ細胞から分泌されるインスリンというホルモンが必要です。

※この記事やマガジンのなかで、単に『糖』と言う場合はこのブドウ糖(グルコース)のことになりますので、予めご了承ください。

糖質は悪者?

さて、まずこのグルコースはエネルギー源として必要な栄養素ではありますが、過剰な摂取が生活習慣病の元となっており悪者扱いされています。
確かに、必要な栄養素(必須栄養素)では無いのです。
私たちの祖先は動物を狩り木の実を採取して生活していました。
穀物などほとんど食べていなかったのです。
そのため、我々のDNAは穀物を必要としていないかもしれません。
しかし、約1万年前に農耕革命が起きてからは、我々の祖先は生涯を通して穀物を主食として生きています。
DNAはほんのわずかずつですが変化していることが考えられ、私たちの世代から急に穀物を食べなくなるのはかえって逆効果かもしれません。

私はこれからグルコースについてたくさんバッシングをしていくことになりますが、忘れないでください、穀物を絶対に食べてはいけないと言うわけではありません。

ストレスを感じた時などには少量の穀物を摂取することで解消されることがあります。
また、糖はエネルギー源ですから、まったく食べないでいると活力が失われてしまいます。
たくさん食べてはいけませんが、少量ならいつだって食べてもいいと、いつも心に留めておいてください。
では、順番になぜ糖質が悪者なのかを解説していきます。

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