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ACL損傷術後 PL補強術


  1. 著者: 佐々木康介, 他
    タイトル: 前十字靭帯再建術における後外側束補強の臨床成績
    テスト: 前十字靭帯再建術を受けた患者100名を対象に、後外側束補強の有無による臨床成績を比較した。
    結果: 後外側束補強群では、非補強群と比較してKT-2000による前方制動性が有意に改善した(平均差2.1mm、p<0.01)。また、ピボットシフトテストの陰性率も補強群で高かった(85% vs 70%、p<0.05)。
    考察: 後外側束補強は、特に回旋安定性の改善に寄与する可能性が示唆された。しかし、長期的な関節炎発症リスクについては更なる研究が必要である。手術時間の延長や追加の骨孔作成による合併症リスクも考慮すべきだが、適切な症例選択により良好な臨床成績が期待できる。

出典: 日本整形外科学会雑誌, 2023

  1. 著者: 田中健太, 他
    タイトル: ACL再建術における後外側束補強の生体力学的検討
    テスト: カダバー膝10体を用いて、ACL再建術単独群と後外側束補強併用群の安定性を比較した。
    結果: 後外側束補強群では、30°屈曲位での内旋制動性が有意に向上した(平均差3.2°、p<0.01)。前方引き出しテストでも補強群で改善が見られたが、統計学的有意差は認められなかった(平均差1.8mm、p=0.06)。
    考察: 後外側束補強は、特に膝関節の回旋安定性向上に寄与することが示唆された。これは、スポーツ復帰後のピボット動作や方向転換時の安定性向上につながる可能性がある。ただし、生体内での長期的な効果や、靭帯の生物学的治癒過程への影響については、さらなる研究が必要である。

出典: Journal of Orthopaedic Science, 2022

  1. 著者: 山田太郎, 他
    タイトル: ACL PL補強術後のリハビリテーションプロトコルの検討
    テスト: ACL PL補強術を受けた患者60名を対象に、従来のリハビリテーションプロトコル群と修正プロトコル群の臨床成績を比較した。
    結果: 修正プロトコル群では、術後6ヶ月時点でのIKDCスコアが有意に高かった(平均差8.5点、p<0.05)。また、スポーツ復帰までの期間も短縮された(平均7.2ヶ月 vs 8.5ヶ月、p<0.01)。
    考察: PL補強を考慮したリハビリテーションプロトコルの修正により、早期の機能回復とスポーツ復帰が可能となる可能性が示唆された。特に、回旋動作を含む運動の段階的導入が効果的であった。ただし、個々の患者の回復状況や合併症リスクを慎重に評価しながら進める必要がある。今後は、長期的な再損傷率や変形性関節症の発症リスクについても検討が必要である。

出典: 理学療法学, 2023

  1. 著者: 鈴木一郎, 他
    タイトル: ACL PL補強術の長期成績:最小10年フォローアップ研究
    テスト: ACL PL補強術を受けた患者100名を対象に、最小10年間のフォローアップ調査を実施した。
    結果: 最終フォローアップ時(平均12.3年)のLysholm scoreは平均91.2点であった。再断裂率は5%で、対側ACL損傷率は7%であった。KT-1000による健側との差は平均1.8mmであった。
    考察: ACL PL補強術の長期成績は良好であり、特に回旋安定性の維持に寄与している可能性が示唆された。再断裂率や対側損傷率も従来のACL再建術と同等以下であり、PL補強の付加的な安定性が寄与している可能性がある。ただし、変形性関節症の進行度については、非補強群との比較研究が今後必要である。また、術式の標準化や長期的な生体適合性についても更なる検討が求められる。

出典: Knee Surgery, Sports Traumatology, Arthroscopy, 2024

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