見出し画像

足裏の痛み、特に足底腱膜炎に対するインソール治療


  1. 足底腱膜炎のメカニズムとインソールの効果:
    足底腱膜炎は、足底腱膜(足の裏の靭帯)に過度な負荷がかかることで起こる炎症です。インソールは足のアーチをサポートし、足底腱膜への負荷を軽減します。具体的には、縦アーチを支える「アーチサポート」と、踵の衝撃を吸収する「ヒールカップ」が重要です。これらにより、歩行時の衝撃が分散され、足底腱膜への負担が軽減されます。

実践的な方法:

  • 患者の足型を採取し、カスタムメイドのインソールを作成する

  • 既製品のインソールを使用する場合は、足のアーチの高さに合わせて選択する

  • インソールの装着感を確認し、必要に応じて調整を行う

注意点:

  • インソールの高さが急に変わると、新たな痛みを引き起こす可能性があるため、段階的に調整する

  • 患者の症状や活動レベルに応じて、インソールの硬さを選択する

代償動作:

  • インソール使用初期に、足の外側に体重をかける傾向がある場合は、歩行指導を行う

出典:『理学療法ジャーナル』Vol.54 No.6 (2020) 「足底腱膜炎に対する理学療法の実際」

  1. 足底筋膜のストレッチとセルフケア:
    インソール治療と並行して、足底筋膜のストレッチも重要です。これにより、足底腱膜の柔軟性が向上し、痛みの軽減につながります。

具体的な方法:

  1. タオルストレッチ:

    • 座った状態で足の下にタオルを置く

    • タオルの端を足の指でつかみ、膝を伸ばしたまま足を引き寄せる

    • 15-30秒間保持し、3-5回繰り返す

  2. 壁押しストレッチ:

    • 壁に向かって立ち、つま先を壁につける

    • かかとを床につけたまま、ゆっくりと体を前に傾ける

    • 足の裏に伸びを感じる位置で15-30秒間保持し、3-5回繰り返す

注意点:

  • 痛みを感じない範囲で行う

  • ストレッチ後は、冷却して炎症を抑える

セルフケア:

  • 就寝前や起床直後に、足底をマッサージする

  • テニスボールやゴルフボールで足底をほぐす

出典:『PTOnline』日本理学療法士協会公式サイト「足底腱膜炎のホームエクササイズ」

  1. 足部アライメントの評価とインソール調整:
    足部のアライメント異常は、足底腱膜炎の原因となることがあります。適切なインソール治療のためには、詳細な評価が必要です。

評価項目:

  1. 静的アライメント:

    • 足部の形態(ハイアーチ、フラットフット)

    • 後足部の肢位(内反、外反)

    • 前足部の肢位(回内、回外)

  2. 動的アライメント:

    • 歩行時の足部の動き

    • ランニング時の接地パターン

インソール調整:

  • ハイアーチの場合:クッション性を重視し、アーチサポートは控えめに

  • フラットフットの場合:アーチサポートを強化し、内側縦アーチを形成

  • 後足部内反の場合:外側ウェッジを追加し、内反を制御

  • 後足部外反の場合:内側ウェッジを追加し、外反を制御

注意点:

  • 急激な変化は避け、段階的に調整する

  • 定期的に再評価し、必要に応じてインソールを修正する

代償動作:

  • アライメント修正により、膝や股関節の動きが変化する可能性があるため、全身的な評価と指導が必要

出典:『理学療法学』第47巻第6号(2020)「足部・足関節障害に対する理学療法 - バイオメカニクスに基づいたアプローチ」

  1. テーピングとインソールの併用:
    足底腱膜炎の急性期や、インソールの効果を高めるためにテーピングを併用することがあります。テーピングは即時的な効果があり、インソールとの相乗効果が期待できます。

テーピング方法(低反発テープを使用):

  1. アンカーテープを踵から足首にかけて貼る

  2. 足底腱膜に沿って、踵から足の指の付け根まで数本のテープを貼る

  3. アーチを支えるように、足の外側から内側に向けてテープを貼る

  4. 全体を覆うように、保護テープを貼る

インソールとの併用:

ここから先は

3,865字
この記事のみ ¥ 300

サポート、noteの記事購入して頂い金額の一部はえんとつ町のプペルの購入、その他クラウドファンディングの支援をさせて頂きます