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O脚:変形性膝関節症

関節軟骨の性状は、力学的要因に影響を受けやすく、軟骨表面に局所的なメカニカルストレスを受けると膝OAの悪化につながることが報告されています。
膝OAの内反変形の増加は関節裂隙の狭小化を促進させ、軟骨の変性を助長します。したがって、膝関節を内反させる力を減少させることがリハビリテーションにとって重要となります。

① 膝関節内反変形の計測
内反変形の度合い
通常、大腿脛骨角(femoro-tibial angle:FTA)で計測します。
X線像で大腿骨軸と脛骨軸のなす角を求めます。
正常の場合、およそ170〜180°程度です。
生体では、上前腸骨棘と膝蓋骨中心を結ぶ線と膝蓋骨中心と足関節中心を結ぶ線のなす角を求めます。

ミクリッツ線は、大腿骨頭の中心から足関節中心を結んだ線で下肢の荷重線を表します。
正常のFTAの場合、およそ膝の中心を通ります。

FTA185°以上の内反膝の場合、FTAが大きいほどミクリッツ線は膝の内方を通ることになります。この場合、膝を内反させる力は強まり、さらに膝関節における荷重は膝関節内側部に偏り、荷重を受ける部分は内側部に集中します。

また、内反膝が強いと歩行立脚時(荷重時)にさらに強く膝が外方に移動するラテラルスラストが起こり、内側部への過重負荷は高まってしまいます。

さらに、膝OAの患者は膝が完全に伸びない屈曲拘縮が多く認められます。屈曲拘縮は歩行時、膝内反力を高めることが知られています。

片足立ちをすると膝関節にはおよそ体重の3倍ほどの力がかかります。歩行や階段昇降ではさらに多くの力がかかり、体重の3〜5倍ほどになります。内反膝が高度のほど、力を受ける面は膝関節内側部のみとなり単位面積あたりの荷重量は増大してしまいます。このことは膝OAの悪化を助長します。



② 歩行時の膝負担を減少させる代償
膝OAの患者は、膝の負担を減少させ、疼痛を回避するために2つの歩行パターンを取ることがあります。1つは患側への体幹傾斜(側屈)とtoe outです。
これは膝関節を内反する力を減少させる歩行戦略です。


膝への負担を減らす方法

膝OAへのアプローチは、膝への負担(荷重量、内反を助長)を減少させることが重要です。

① 膝関節周囲筋や股関節外転筋の筋力強化
② 膝関節屈曲拘縮の予防・改善
③ 歩き方の指導(階段や坂道をできるだけ避けるを含む)
④ 膝装具の利用
⑤ 足底板(ラテラルウェッジ)や良い靴の選択
⑥ 体重を減らす
⑦ 歩行時の荷重ショックや荷重時間を減らす
⑧ 杖を利用するなどが挙げられます。

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