
腰椎椎体骨折よりひどい破裂骨折ついて
腰の骨である腰椎
腰椎の骨折が骨のおなか側で前の方に止まる場合(圧迫骨折)は脚のまひやしびれなどの神経症状はありません。
しかし、腰椎の骨折が後ろ側の壁まで及ぶと、骨が神経を圧迫してしまい
まひやしびれなどの神経症状が伴うことがあります。
この状態を破裂骨折と呼びます。
破裂骨折の場合、重症なまひがはじめから出るとは限りません。
骨の破片が徐々に神経を圧迫していきますので、次第にまひが広がるといったことが起こる可能性があります。
圧迫骨折の治療では、まずX線などの画像検査で骨折の部位を特定します。
その上で神経症状のない圧迫骨折の場合は基本的に保存的治療からおこないます
症状が続く場合、手術になることもあります。
破裂骨折で神経症状がある場合は、手術を検討することになります。
圧迫骨折の保存的治療
圧迫骨折の保存的治療では、安静と痛みのコントロールが基本です。
できるだけ安静を保ち、圧迫骨折の部分をコルセットやギプスで固定します。
2~3ヶ月経過すると
約80%の患者さんで圧迫骨折を起こした部分が結合し、痛みも軽くなります。
圧迫骨折・破裂骨折の手術による治療
2~3か月保存的治療を続けても骨が結合せず痛みが続く場合は手術を検討します。
最近では椎体形成術のひとつ
バルーン・カイフォプラスティー(BKP)
が行われます。
潰れた椎体の中に特殊な針を挿入します。
その針の先からバルーンを入れて膨らまして、椎体を元の形に復元します。その空間を満たすように、医療用の骨セメントを注入して元どおりに修復していきます。
バルーン・カイフォプラスティー(BKP)
手術時間
1時間ほどですが、数日間の入院が必要になります。
まひや下半身のしびれなどの神経症状があらわれる破裂骨折の場合は
骨セメントを入れることで神経障害を起こしてしまう可能性があるため、先に紹介したバルーン・カイフォプラスティー(BKP)はおこなうことができません。
そのため、骨折した骨にスクリューなどの金属を埋め込み固定する椎体除圧固定術などの手術を検討します。
椎体除圧固定術は骨折した骨の上下に金属製のスクリューを入れて、さらにスクリュー同士を金属製のロッドで固定する方法です。
上下の骨を固定することによって、骨折した部分がくっつくようになり、骨への圧力もかからなくなるために神経への圧迫もなくなります。
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