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誤嚥性肺炎を防ぐ

 飲み込む力が弱くなると、飲食物や唾液が食道ではなく気管へ入り肺炎の原因となったり、食物がのどにつまったりするリスクが増加します。

 また、むせるために水分がとりにくく脱水を起こす、食べる意欲が低下して栄養状態が悪化するなどで、さらに嚥下困難が進むという悪循環にもなります。
 

メニュー

1.噛む(咀嚼する)力を鍛える体操

a.ベロ出し体操

 舌の柔軟性が上がり、筋力アップもはかれる訓練です。咀嚼しやすくなり、食べ物を送り込む力も上がります。

①舌を上下交互に10回ずつだします。なるべく長くだすとよいでしょう。

②舌を左右交互に10回ずつだします。なるべく長くだすとよいでしょう。

③できるだけ舌を大きく外に出して、時計回りに舌で円を描くように口の周りを5周させます。逆回りも5周行います。

b.想像アメ玉トレーニング

 舌・歯・ほおを連動させ、アメを転がすように動かすことで口の中の器用さを向上させます。

①舌の先にアメがあるのを想像します。

②唇を閉じたままアメを転がすように舌の先端を歯茎に沿って右に移動させます。上あごも動きます。最後に右の頬の内側を舌で押します。

③今度は想像したアメを真ん中に戻し同様に左のほおに移動させます。

②と③を繰り返し、5往復させます。

2.舌の筋肉を鍛える体操

a.「あー」「んー」体操

 ①舌の筋肉と合わせて、噛むためにあごを動かす筋肉(咬筋や側頭筋など)を鍛える体操です。

②ゆっくり大きく口を開け、「あー」と言います。

③しっかり口を閉じ、口の両端に力を入れ、舌を上あごに押し付けるようにして奥歯をかみ、「んー」と言います。

b.発声トレーニング

 あご、舌先、舌の奥の力を鍛える体操です。

①「さ・し・す・せ・そ」と、一音一音、丁寧に声に出します。

②「し・す・せ・そ・さ」「す・せ・そ・さ・し」など、順番を変えて同様に声に出します。

③「た・ち・つ・て・と」と、一音一音、丁寧に声に出します。

④「たたた、ちちち、つつつ、ててて、ととと」と声に出します。

⑤「が・ぎ・ぐ・げ・ご」と、一音一音、丁寧に声に出します。


3.飲み込む力を鍛える体操

a.おでこを押して筋トレ 咽頭を持ち上げる首の前側の筋肉を効果的に鍛える体操です。

①背筋をのばし、おでこの真ん中に手をあてます。手の位置を覚えておきましょう。

②頭を前に倒します。手で頭を押し返しながら倒しましょう。手とおでこが反発していれば、少ししか倒れなくてもかまいません。力を入れたまま10秒間キープし、3秒間休みます。5回行いましょう。

4.唾液を出しやすくするマッサージ

食べる直前に行って唾液を出しやすくします。

a.耳下腺への刺激

①人差し指から小指までの4本指をほおの外側にあてます。

②4本指で上の奥歯の周辺をぐるぐる回して刺激します。

③10回繰り返します。

b.顎下腺への刺激

①あごの骨の内側の部分を、耳の下の位置から、親指で突き上げるように下から押します。

②耳の下からあごの先まで、後ろから前へ5カ所ほど順番に押していきます。

③25回行います。

c.舌下腺への刺激

①両手の親指をそろえ、あごの真下の部分を刺激します。

②舌を突き上げるように、親指でゆっくりぐっと押します。

③5回繰り返します。

■唾液腺のマッサージ

5.アイスマッサージと氷なめ訓練

食べる直前に行うと嚥下反射を高めます。

①綿棒を氷水に浸します。

②冷えた綿棒で上あごの後方(軟口蓋)と舌のやや奥の方を数回軽く刺激します。

③その後一回飲み込む動作をします。

冷たい刺激は嚥下反射を誘発するので、食べる直前に小さい氷の塊をなめて溶けた水を飲むのも効果的です(氷なめ訓練)。

6. 異物を出す力を高める体操

a.咳をする体操

①両手をお腹にあてます。

②鼻から息を吸い、お腹をふくらませます。

③前屈みになり、両手でお腹を押しながら息を強く吐き出します。

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