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【有料コンテンツ】リンパ浮腫に対してリンパドレナージの方法について

割引あり

リンパ浮腫とは、リンパ液(血液から漏れ出た水分や老廃物を運ぶ液体)の流れが悪くなり、手足などの皮下組織に水分やたんぱく質が過剰にたまった状態のことです¹。リンパ浮腫は、がんの手術や放射線治療などでリンパ節(リンパ液をろ過する器官)やリンパ管(リンパ液を運ぶ管)が損傷した場合に起こりやすく、むくみや重だるさ、関節の可動域の制限などの症状を引き起こします²。

リンパドレナージとは、手で皮膚を優しくさすることで、リンパ液の流れを改善し、むくみを減らす手技です³。リンパドレナージは、医療用と美容用の2種類がありますが、ここでは医療用のリンパドレナージについて説明します。

医療用のリンパドレナージでは、以下の手順で行われます⁴。

  1. 首の付け根にある静脈への合流部位(左鎖骨上窩)を刺激して、全身のリンパ液の流れを良くする。

  2. 深部リンパ系(心臓に近い大きなリンパ管)の流れを良くするために、深呼吸をする。

  3. リンパ浮腫のある部位から深部リンパ系へと流れ込む入り口である正常なリンパ節(例えば左下肢なら左腋窩、右上肢なら左腋窩と右鼡径部)を刺激する。

  4. リンパ浮腫のある部位から正常なリンパ節までの道をつくり、浮腫液を迂回させるように皮膚をさする。例えば左下肢なら、下腹部や臀部から左腋窩までさすり、次に大腿部や下腿部から左鼡径部までさすり、最後に足から左鼡径部までさする。

  5. 足指までさすってきたら、逆に足指から上へ少しずつ押し上げながら戻りながらさする。

このようにして、皮下組織にたまった浮腫液を正常なリンパ節や深部リンパ系へと誘導し、静脈から血流に入れて排出することが目的です。この手技は優しくゆっくり行われますが、強い圧力や速い動きは逆効果です。また、入浴後など暖まっているときや空腹時は効果的です⁵。

以下は医療用のリンパドレナージの一例です⁶。実際に行う場合は、担当医師やセラピストの指示に従ってください。

医療用リンパドレナージの一例

1. 首の付け根(左鎖骨上窩)の刺激

  • 左手で右鎖骨の上にあるくぼみを探し、そこに指先を当てる。

  • 右手で左鎖骨の上にあるくぼみを探し、そこに指先を当てる。

  • 両手の指先でくぼみを軽く押しながら、小さく円を描くように回す。10回ずつ行う。

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