狐の、虎被りて、な恋しそ

思うに人は、「教えてくれる」人間に恋をする。言い方を変えれば、新しい世界を見せてくれる人に恋をする。

「自分にないものを持っている人に憧れる」というのも、其の一端だろう。自分が知らなかった世界を見せてくれるから好きになるのだ。

夢追い人が魅力的に映るのも、其のためだ。
同時に、寝言ばかりで行動しない人間に惹かれる者がいるのも、「もし寝言が実現すれば、新しい世界を見せてくれる」と意識の水面下で感じてしまうからではないか。

そう感じるからこそ、「精神的に向上心のないものはばかだ」という名台詞を拝借したい。本来の用法でも、言葉だけを見た解釈でも。

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