言葉の摩耗

 減らしたい言葉。「愛してる」と「死ね」。

 言葉には重みがある。そして、其れは摩耗する。「愛してる」と言い過ぎると、重みが磨り減って「いざ、という時」の言葉がなくなってしまう。「死ね」も同様だ。命を扱う言葉が軽いはずもないのに、いつの間にか、軽々しく口に出来る言葉になってしまった。そんなにも軽く「死ね」と言っていて、いつか心の底から憎い相手が出来た時、何と言うのだろう。

 重みを失わないように、「愛してる」と「死ね」は減らしたい。


増やしたい言葉。「ありがとう」。

 先ほど、言葉の重みは摩耗すると述べたが、「ありがとう」という言葉は摩耗しない稀有な言葉だと感じる。其れでいて、言われた側もイイ気分になる。むしろ、言わないでいると、どんどん言いづらくなる言葉でもある。

 重みを保つために、「ありがとう」を増やしたい。

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