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Сатоша
2016年9月14日 00:03
朝食を作っている時、不注意から左腕に火傷を負った。薬を塗って包帯を巻いたら、なんだかリストカットを隠しているように見える。外はまだ暑いから、長袖は着られない。かといって、包帯を見た者に邪推されるのも嫌だ。だから出かけたくないと思った。仕事は休みだったのは幸いだった。食材も足りているし、外に出なければいけない理由は特になく、しかもちょうど今日は三連休の初日だ。次の出勤までに治る気がしているので、本
2016年9月2日 22:28
ある休日、本屋にでも行こうと思い立ち、出かけた。お気に入りのキャスケットを目深に被り、伊達眼鏡をかけた。 道すがら、外国からの観光客に声をかけられた。どうやら、目的地へ向かうためのバスがわからなかったようだった。私は、それほど得意でもない英語で、丁寧にバス停までの行き方と、乗るべき路線を教えた。観光客は素敵な笑顔を見せてくれた。良いことをすると気持ちが良い。さきほど教えた情報は全て嘘だったが
2016年8月27日 13:44
割れた鏡で頬を裂いたら、ホンネというものが見える気がした。痛くて冷たい感じがした。同時に、嬉し恥ずかし、という感情が湧いた。頬の外側を赤が伝ったので、白ワインを飲んだら自ずと笑いがこみ上げて来た。酔いがまわりはじめた。急にシャワーを浴びたくなったから、カミソリを持って公園に行った。日差しが腕を焼く感覚を味わう。 公園の細い木の幹に、カミソリで相合傘を描いた。右にはサルトル、左にはボーボワール
2016年5月20日 19:52
不在通知が郵便受けに入っていた。私はそれを見て、再配達の依頼をした。指定時刻は明日の12時から14時までの間。その依頼の受付をスマートフォンで済ませてから、私は明日のお昼に、友達と食事に行く約束を取り付けた。相手は誰でも良かった。だから最近会っていなくて土日が休みの友達を誘った。 来て欲しい。でも逃げたかった。だから両方を取った。ただ、それだけのことだった。 翌日のお昼、インターホンが誰