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慢性腰痛は身体活動の多さと関係ある?ない?


こんにちは、青木です。


腰痛の原因として、
一般的には運動不足がよく指摘されます。


以前に腰痛を改善するエクササイズとして、
ピラティスが適しているかどうかをまとめた記事を投稿しているので、
こちらもぜひご覧ください。


当ピラティススタジオでも、
カウンセリング時に日常生活での活動量が少ないと、
腰痛のリスクについて説明させていただくことがあります。


しかし、本当に身体活動量が少ないことが腰痛と関係あるのか?
そのように感じたことのある方はいらっしゃると思います。


今回はそのような疑問を解消していこうと思います。


いつものように研究論文を参考にしてまとめていきます。


それではどうぞ。



結論


身体活動量と慢性腰痛には関連があり、
運動の種類や負荷量、職業によって変化する。

エビデンス

参考論文


「The association between physical activity and low back pain: a systematic review and meta-analysis of observational studies(身体活動と腰痛の関連性:観察研究の系統的レビューとメタ分析)」

身体活動は腰痛の発生率の低下と関連しています。

Alzahrani, H., Mackey, M., Stamatakis, E., Zadro, J., & Shirley, D. (2019). The association between physical activity and low back pain: a systematic review and meta-analysis of observational studies. Scientific Reports, 9.


「Relationship between physical activity and disability in low back pain: A systematic review and meta-analysis(身体活動と腰痛障害の関係:系統的レビューとメタ分析)」

https://doi.org/10.1016/j.pain.2010.11.034

身体活動は、急性または亜急性の腰痛における障害との関連が弱く、慢性の腰痛においては中程度の負の関係があります。

Lin, C., McAuley, J., Macedo, L., Barnett, D., Smeets, R., & Verbunt, J. (2011). Relationship between physical activity and disability in low back pain: A systematic review and meta-analysis. PAIN®, 152, 607-613.


「Physical activity and low back pain in children and adolescents: a systematic review(小児および青少年の身体活動と腰痛:系統的レビュー)」

小児および青年における身体活動と腰痛との関連性については中程度の証拠があり、両極端の活動レベル(非常に低いおよび非常に高い)が腰痛と関連しています。

Kędra, A., Plandowska, M., Kędra, P., & Czaprowski, D. (2020). Physical activity and low back pain in children and adolescents: a systematic review. European Spine Journal, 30, 946 - 956.

身体活動量と慢性腰痛の関連性について

「身体活動レベルが高い=腰痛にならない」わけではない


参考論文からもわかる通り、
どうやら身体活動量が高ければ高いほど
腰痛リスクを軽減できるというわけではないようです。


考えてみれば当たり前ですが、
重い物を持ち上げる動作が多い仕事や
ハイパフォーマンスを要するスポーツでは、
過度な腰椎の可動性や腰背筋の筋疲労を生じさせます。


つまり、身体活動量が上がれば体への負担が増えるため、
腰痛のリスクが高まるということです。


ただ、勘違いしてはいけないのが、
「身体活動量が多い=腰痛になる」ということでもないことです。


身体活動量が多いと体へ負担を与える機会が増えるよね?
っていう話しであって、
関節や筋・筋膜への負荷が過剰にならないように
コントロールすることが出来ればいいわけです。


要は適度な身体活動量を保ちましょうということですね。

腰痛リスクを軽減するための身体活動量


腰痛リスクを軽減するためには、
身体活動量が多すぎても少なすぎてもいけないことが
参考論文からもわかりました。


ではどの程度の身体活動量が適切なのでしょうか?


論文データを全体的に統合すると、
中程度の身体活動が最も良いとされています。


中程度の身体活動は自覚的運動強度でいうと
「やや楽」ぐらいの運動強度で、
自転車や早歩きを15分ぐらい行う運動になります。


運動頻度としては週1~4回程度となっています。

まとめ


いかがだったでしょうか?


今回参考にした論文を大まかに統合すると、
身体活動量が低すぎると慢性的な腰痛のリスクが高まり、
身体活動量が高すぎると急性・亜急性腰痛のリスクが高まると
考えることが出来ました。


身体活動量が低ければ体幹・下肢を中心とした筋力低下が生じ、
身体活動量が高ければ関節や筋・筋膜への機械的ストレスが増大する、
これは非常にイメージしやすいのではないでしょうか。


この記事をまとめて感じたのは、活動量が低いにしろ高いにしろ、
腰痛改善には運動の質を改善する必要があるということです。


低活動量の方に運動療法を行う場合、
今までよりも運動量が増えるわけなので
その方にとっては身体活動量が高くなるわけです。


身体活動量は高くても腰痛のリスクは増えるわけですから、
運動量を増やすだけでなく、その方の運動・動作の質まで
改善していくことが重要だと感じます。


腰痛改善で運動量を増やそうと考えている方、
セラピストやインストラクターでクライアント様の
運動負荷を上げていこうと考えている方は、
ぜひ参考にしてみて下さい。



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