運動療法は骨粗鬆症を改善できる?できない?
こんにちは、青木です。
骨粗鬆症に対して運動療法が効果的であることは、比較的多くの方が知っていると思います。
今回はその理由やエビデンスについてみていただけたらと思います。
ではどうぞ。
結論
運動は骨密度の改善と生活の質の向上に効果的である
エビデンス
参考論文
「Effect of exercise on bone mineral density and quality of life among postmenopausal women with osteoporosis without fracture: A systematic review.(骨折のない骨粗鬆症の閉経後女性の骨のミネラル密度と生活の質に対する運動の影響:系統的レビュー)
https://doi.org/10.1016/j.ijotn.2020.100796
「Strong, steady and straight: UK consensus statement on physical activity and exercise for osteoporosis(強く、着実に、まっすぐ:骨粗しょう症のための身体活動と運動に関する英国のコンセンサス声明)」
理由
骨は抵抗(レジスタンス)と衝撃(インパクト)によって強化される
骨への機械的刺激(抗力や衝撃)が加わると、血中のカルシウムが骨へ吸収され、骨形成が促進されることが分かっています。
メカニズムはかなり複雑なので、詳しい説明はまた別の記事にまとめたいと思います。
簡単にまとめると、機械的刺激が加わると骨の周りを覆う骨膜に電子(e⁻)が発生し、その電子にカルシウムイオン(Ca²⁺)が結合することで骨形成が行われます。
女性は出産や更年期などのライフイベントを機にエストロゲン欠乏に陥り、骨密度が低下します。
そのため、産後や更年期の骨粗鬆症の予防として、運動療法が推奨されるのは皆さん既にご存じかと思います。
機械的刺激を伴うエクササイズとしては
主に上記のものが挙げられます。
また、太極拳や気功といった、中国の伝統的な運動も効果的であるとの報告もなされてるようです。
まとめ
いかがだったでしょうか?
骨粗鬆症は将来的な骨折リスクです。
骨粗鬆症による骨折は転倒によるものだけでなく、くしゃみなどのちょっとした衝撃でもリスクになりかねません。
骨粗鬆症は女性にとても多いですが、男性ももちろん罹患する可能性はあります。
それに骨粗鬆症でなくても、力仕事を任されることの多い男性は骨に負荷をかけることも多いため、骨を丈夫にするに越したことはありません。
今のうちから運動習慣を身につけ、来たる将来の健康のために備えたいものです。
服薬による治療もありますが、まずは運動療法による非薬物療法を選択することをおすすめします。