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本当は教えたくない短内転筋の治療方法

股関節の外転可動域拡大に対して、
内転筋をリラクゼーションやストレッチをする機会は多いです。


坂井建雄(監訳). プロメテウス解剖学コア アトラス. 医学書院


で、青丸のあたりを治療することが多いのですが、
そこをやっても少ししか角度が変化しないこともあります。

そんな方には、

短内転筋を意識して治療を行ってみてください。



上の画像から恥骨筋・長内転筋を剥がした図です。

短内転筋は長内転筋の深層に位置します。
➡恥骨下枝~大腿骨粗線内側唇1/3に付着


左大腿部を観察した画像になりますが、
短内転筋の内側には薄筋が位置しています。

エコーを使用し、表層の長内転筋側から深層へ圧を加えても、短内転筋まで圧が届きにくいのですが、薄筋側から内側へ圧迫すると、短内転筋まで圧を加えられることを確認しました。


で、実際の治療になりますが、
薄筋を弛緩させるため股関節内転+膝関節屈曲位で他動での内転を行います。その際、薄筋の内側にある短内転筋を意識し、恥骨下枝方向へ筋の動きを誘導すると、下記の動画のようになります。



また神経を絡めた話をすると

短内転筋の表層を閉鎖神経前枝
     深層を閉鎖神経後枝が位置しているため、

この筋の緊張を落とすことは、結果として閉鎖神経の除圧にも繋がります


意識しないと触れない筋肉として
股関節では、外閉鎖筋や小殿筋があります。

患者さんが「この人はマッサージが上手だ」と思う人は
表面をグルグルとこねるだけの人ではなく、

筋の起始・停止を意識して丁寧に動かす
表層の次は深層の組織にも目を向けている

これらは絶対外せない条件だと考えています。



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