ねん挫が癖になるワケ
こんにちは!
日本身体運動科学研究所 代表の笹川です。
たくさんの方から足部に関してのご回答が来ました^_^
普段からメルマガを読んでいる方、
私の講座に参加された方が
すごく真剣に学んでいただいているのが分かりました!!
それでは今日は答え合わせです。
そして、足関節捻挫が癖になるワケもお伝えします。
前回、この図が非常に重要であるとお話しました。
https://physitech.jp/salon/wp-content/uploads/sokubu-e1595215964880.jpg
これを知っているだけで、
足部の筋の働きがすべてわかるからですね!
足関節捻挫がおきたときは、
足関節は腫れて必ず筋力低下を起こします。
筋力低下が起きやすい部分は腓骨筋と後脛骨筋です。
足関節というのは
解剖学的に背屈位だと
距骨が脛骨と腓骨の間に入り込んで安定します。
ですので、足背屈位では
ほとんど捻挫を起こすことはありません。
しかし、
スポーツの競技中に足関節が
常に背屈位になることはありません。
場面に合わせて、
足首を内側や外側にも入れますし、
足首の底背屈もおこないます。
逆にいうと、
足首が底屈位だと距骨は
入り込んでいませんので、不安定な状態と言えます。
このことから
『足部は足関節底屈位で
安定していなければ捻挫を再発させてしまう』
ということが分かると思います。
続いて足関節底屈位で安定させる筋を解説します。
腓骨筋の働きは先ほどの図から見ると
『足関節の底屈+外返し』という動きをします。
たとえば、
右足関節のねん挫を起こした場合
左方向へ走ろうとしたときに
腓骨筋が働かなければ、足部は外側へ
蹴ることができずに捻挫を起こしやすくなるということです。
しかし、
外側へ蹴りだすためには
何とか体は対応しようとします。
腓骨筋以外の筋肉を使って
外側へ蹴ろうとするのです。
それは
https://physitech.jp/salon/wp-content/uploads/sokubu-e1595215964880.jpg
この図でいう外返しの筋肉が代わりに働こうとします。
長趾伸筋がそれに当たります。
長趾伸筋は『足関節背屈+外返し』を
させるための筋肉です。
ついでに
指も反らせる筋肉ですので、
以前お話したようにウィンドラス機構が働き
ハイアーチになりやすくなるワケです。
足関節が炎症を起こし痛みを伴う中で
ハイアーチによって小指側に体重は乗りやすくなります。
ねん挫を起こした部位(靭帯)には
足関節内反ストレス(かかとが内側に入る)が生じやすいため
『痛みが改善せずに、しかも
捻挫を再発しやすい』状況となってしまいます。
多くの治療家の先生は
「腓骨筋が働くとねん挫しにくくなる動きが可能」
というのは理解されています。
しかし、チューブなどを用いて
『足関節背屈位で外返し』のトレーニングを
指導していることがほとんどなので、
底屈位+外返しをおこなわないと
腓骨筋はしっかりと働き安定性を
もたらしてくれないのです。。。
まとめますと
・足関節は底屈位で不安定になる
=底屈位での安定性が重要である
・腓骨筋が効かないと足部には
内反ストレスが加わりやすく
痛みが引かない&再発しやすい
・腓骨筋は底屈位でないと
トレーニングしても意味がない
というようになります^_^
このように
運動学の理解と実際のリハビリが
一致してくると本当にリハビリが楽しくなってきます。
ぜひ、足関節捻挫には
『腓骨筋をしっかり働かせる』ことを意識してくださいね!