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これから増える「認知症」に対してどうプロとして対応するのか?


どーも吉田です!今回はスペシャルライターの宮澤さんにお願いしています!

ではどうぞ↓


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こんにちは。老健でPTをしている「ひろ」と申します。デイケアを主戦場にしていて、臨床半分・管理職半分という働き方をしているハイブリットPTです。


今回、認知症というテーマでPhysio365の記事を書かせて頂きました。
 僕は、今年「認知症ケア専門士」という資格を取得しました。なぜ、PTの僕がこの資格を取得しようと思ったのかという話から始めたいと思います。


1.PTの僕が認知症ケア専門士を取得した理由

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 今、日本に認知症の患者さんはどの位いるかご存じですか。2025年に認知症の罹患者は600万人を超えると言われています。更に2060年には800万人を超える(65歳の24.5%)という試算も3)。


 これって今のphysio365読者世代の4人に1人が認知症になるって試算なんです。そう考えると「めちゃめちゃヤバい」と思われた方も多いのではないでしょうか。


 でも、海外ではちょっと違っていて、北米や欧州では認知症の患者数がわずかですが低下していると報告されているんですね3)。


 この報告では、患者数低下の理由は明らかにされていませんが、この結果から認知症は予防できる病気であることは明らかです。「予防するために出来ることは何でもしたい」というのが認知症ケア専門士に興味を持った一つの理由です。


PTの将来


 将来の話は誰にも分かりませんが、テクノロジーやインターネットの普及によって、10年後、20年後の未来は大きく変わります。


 「LIFE SHIFT100年時代の人生戦略」という本では、テクノロジーの変化によって将来の産業が大きく変わることを予告しています。


 老健では、起居動作練習、歩行練習、ADL練習をメインにリハビリテーションの介入していますが、もしロボットや自動運転の車いすが普及して歩かなくても良い時代になったら… ADLが自立できなくてもテクノロジーの普及により在宅で生活できる時代になったら…


 そう考えるとリハビリテーションの価値って大きく変わると思いませんか。
 
 ロボットやテクノロジーで太刀打ちできない分野について考えてみると、僕は、認知症のある方への適切な対応はテクノロジーでは上手くいかないと考えています。


 これからの時代、認知症のある方に適切に対応できるコメディカルの価値は急増すると思いませんか。これが、私が認知症について勉強しようと思った2つ目の理由です。


2.そもそも認知症って


 ここからが本題です。そもそも認知症の定義ってきちんと理解できているでしょうか。 アメリカ精神医学会の「精神疾患の分類と診断の手引き」第5版(DSM-5)によると、認知症は以下のように定義されています。

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 認知症の症状は記憶障害や見当識障害だけじゃないんですね。認知機能の低下により日常生活の自立性が低下していることと、認知症は精神疾患の分類であるというのがポイントです。認知症のある方の対応は精神疾患の方を扱うのと同じように接するのが良いんですね。このように、認知症の定義を正しく理解すると、認知症についての知識もより深まってきます。


認知症は病気の名前じゃない


 認知症という病気はありません。例えば、脳梗塞で手足が麻痺したとか、風邪をひいて咳をするのと同じなんです。必ず認知症の原因となる病気があります。


 認知症の原因となる病気は、70種類~100種類あると言われています。
 そんなにあるんだとビックリされた方も多いと思いますが、認知症の原因疾患は「アルツハイマー型認知症」「血管性認知症」「レビー小体型認知症」の3つが認知症の原因疾患の9割を占めています。まずは、この3大原因疾患だけでも覚えておいて下さい。


 もう一つ抑えておきたいポイントは、治る認知症もあるということ。

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