坐骨神経痛の教科書!〜神経の解剖・絞扼する筋肉・関節ストレス・痛みの緩和方法の全貌!〜
今回は「坐骨神経痛」について深ぼっていきましょう。
もしかしたら坐骨神経痛かもしれない。。。。
といった症状の時に何を考えてどうするか?を
基礎的な解剖から原因、筋肉、ストレッチなどの対処方法をまとめてみました!
僕も昔はそう思っていましたし、実際にやってみて、良くならなかった人もたくさん経験しています。
みなさんには最初から思考の幅を広げてほしいのでぜひ1度読んで見てください。
坐骨神経痛に対する武器が広がります。
坐骨神経ってなに?
・坐骨神経はお尻にある大きな神経。
・起始はL4~S3
・総腓骨神経と脛骨神経の2つの神経に枝分かれする人体最大の神経。
触診としては上後腸骨棘と坐骨結節を結んだ線のほぼ中央で坐骨結節と大転子の中間点のやや内側寄りを通過します。
この神経に何かしらの機械的なトラブルが起こると
といった症状を引き起こしやすくなります。関連痛もあるので坐骨神経領域だけでなくお尻全体に痛みを引き起こします。
坐骨神経の通り道と絞扼しやすい筋肉
坐骨神経のパターンと通り道
坐骨神経の通り道はいくつかパターンがあります。
有名なのは
なのでほぼほぼこの形で覚えてもらってOK。(他には坐骨神経が梨状筋を貫く、坐骨神経が2本になって梨状筋を挟む場合など)
坐骨神経を絞扼しやすい代表的な4つの筋肉
梨状筋の下を通った後に上・下双子、内閉鎖筋の上を坐骨神経が通ります。
つまり梨状筋と上・下双子、内閉鎖筋がサンドイッチして坐骨神経にストレスを与える可能性があります。
股関節の筋肉は角度や肢位によって作用が変わります。どの筋肉が原因になっているかを探っていくことが大事になりますね!
梨状筋症候群は「坐骨神経の圧迫」だけじゃない
ちなみに。坐骨神経痛と見分けが難しい梨状筋症候群は坐骨神経だけの圧迫ではありません。
という報告ですね。
も大いに影響するということが考えられますね!坐骨神経領域だけで変わらなければ、この2つの神経の絞扼も頭に入れておきましょう。
坐骨神経痛の根本的な3つの原因
では実際の坐骨神経痛の根本的な原因を探っていきましょう。
大きく分けて3つ。
になりますね!
器質的な問題でなければ7〜8割くらいは改善していきます!↓
では3つの原因を詳しく見ていきましょう!
坐骨神経痛の原因1坐骨神経の伸長性低下
坐骨神経の動きが悪くなる原因は2つ。神経内と外に分けて考えましょう。
に分かれます。
では神経内の問題である坐骨神経自体の伸長性低下を変えていきましょう。有名なのは神経系のモビライゼーションです。神経自体も伸び縮みしますし、神経の周りにある軟部組織との滑走性も出すことができます。
坐骨神経に対するストレッチまとめ
SLRを行うと坐骨神経と腰仙神経根にかなりのストレッチがかかります。
SLRによって椎間孔内の腰仙神経根は遠位に9-10mm動きます。でもね。遠位だけでなく、神経は近位にも動きます。だから坐骨神経の領域の軟部組織を柔らかくしておくことも大事になります。
では実際の方法です。神経をストレッチしましょう。
を組み合わせて痛みのない範囲で神経を徐々に伸ばしていきましょう!
神経自体は可動域の最初で緩みが無くなり、中間域で滑走して、最終域では滑走が減少して緊張します。
つまり中間域でしっかりと神経を滑走させて最終域では小さく神経を滑走させるのが効率的です!
坐骨神経痛の原因2坐骨神経を絞扼する筋肉
坐骨神経を絞扼する4つの筋肉は
でしたね!メインはこの筋肉の柔軟性、滑走性を出してあげましょう!
その他にも坐骨神経の通り道には
もありますので、このあたりも頭に入れておくとGoodです!
坐骨神経を絞扼する筋肉のストレッチ
まずは痛みなく、行いやすい四つ這いから行ってみましょう。四つ這いになると軸圧で大腿骨後方の軟部組織、股関節外旋筋をストレッチすることができます。
次に有名な股関節外旋筋のストレッチです。
外転位と内転位の2パターンで行いましょう。
内転位の方がより梨状筋が伸びます。
・・・が最近では臀筋群が優先的に伸びて、外旋筋はあまり伸びないのでは?という説もちらほら、、、
というわけで
梨状筋はうつ伏せで股関節内旋方向に動かしましょう。
ストレッチだけでなく、股関節の内旋・外旋で収縮弛緩させるものおすすめです。もちろんこのストレッチでも内閉鎖筋や上・下双子筋も伸びます!
坐骨神経痛の原因3椎間関節、仙腸関節の問題
脊髄神経後枝内側枝によって椎間関節は支配されています。
「L4/5からの脊髄神経後枝内側枝に支配されているL5/S1の椎間関節に刺激が加わると求心性インパルス→内側枝を介して外旋筋にスパズムを起こす」
ことがポイントです。
といった流れです。
仙腸関節の問題も同じ。
仙腸関節も脊髄神経後枝からの筋肉スパズム問題です。
仙腸関節がスパズムを起こしている原因も、これまたかなり複雑になります。。。またどこかで紹介しますが。
もっとも多いのは
パターンが多いです。
やることはシンプルに
になります。
坐骨神経痛に対して「安静」をおすすめしない理由
2つの論文から↓
腰痛も同じですが。安静にしすぎることは長期的に痛みのスパイラルに入りやすいです。
ことがベストになります。
坐骨神経痛に対してエビデンス的に効果的な運動とは?
ですね。
ポジショントークになりますが。この点からもピラティスはおすすめなのです!
坐骨神経痛に対するミニセミナー
スタッフに説明した坐骨神経痛の原因と対処方法についてです!ぜひ参考にしてみてください。
まとめ
坐骨神経の問題を解決するためには
根本的な3つの原因である坐骨神経自体の硬さ、坐骨神経を絞扼する筋肉の硬さ、椎間関節・仙腸関節のスパズムの問題を考慮して対処方法を決めていくことが大事です。
いかがでしょうか?
かなり複雑な要因で坐骨神経痛が起こります。
その1つ1つの原因を解決していきながら、お尻周りの痛みを改善していきましょう!!
では〜!!
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