データをもとに,ストレス等について現実的に考える【会社と従業員のマッチング】
令和5年 能力開発基本調査より
Q.正社員に対する教育訓練は,OJTとOFF-JT,どちらを重視しているのでしょうか?
A.OJT重視だそうです.
全体のうち78.5%の企業でOJT重視(それに近いを含む),正社員以外に対してもほぼ同様(正社員に対してより少し多い)でした.
OFF-JTまたは自己啓発支援に費用を支出した企業は54.6%で,労働者一人当たり平均して1.6万円くらいです.
社員に対する能力開発方針は,「企業主体で決定する」企業が7割くらいで,「労働者個人主体で決定する」よりも顕著に多いようです.
一方で,能力開発や人材育成に関して,8割弱の事業所が「問題がある」としていて,「指導する人材が不足している」,「人材を育成しても辞めてしまう」,「人材育成を行う時間がない」などを問題点としています.
また,「労働者の仕事に対する意識を高め,職場の活性化を図るため」や「労働者の自己啓発を促すため」,(上司等による?)キャリアコンサルティングを行っている事業所もありますが,産業ごとで差が大きいようです.「金融業・保険業」でよくやっていて,「生活関連サービス業・娯楽業」で少ないようです.
キャリアコンサルティングについて,労働者からのキャリアに関する相談件数が少ない,労働者からの希望がない,という問題点等を感じている事業所もあるようです.
一方で,「自分自身の職業生活設計を考えていきたい」と考えている正社員は,どちらかと言えば,も含めると約67%いて,会社で職業生活設計を提示してほしいと考える正社員は,どちらかと言えばを含めて,約20%でした.
正社員がキャリアコンサルタントに相談したい内容の上位は,「将来のキャリアプラン」,「仕事に対する適性・適職」で,正社員以外だと,「仕事に対する適性・適職」,「仕事の内容,賃金,労働時間などの労働条件・労働環境」についてが上位にきています.
Q.企業の発展にとって最も重要と考える労働者の能力・スキルは?
A.「チームワーク,協調性,周囲との協働力」だそうです.
50歳以上の正社員には「マネージメント能力・リーダーシップ」が求められているようです.
労働者自身も,もっとも自信のあるスキルとして,「チームワーク,協調性・周囲との協働力」を挙げています.次点は,「定型的な事務・業務を効率的にこなすスキル」です.
企業が望むスキルとして,「職場に特有の実践的スキル」も上位です.「高度な専門的知識・スキル」,「語学(外国語)力」はずっと下位です.
正社員以外に,「定型的な事務・業務を効率的にこなすスキル」,「読み書き・計算等の基礎的素養」が正社員に対してよりも多く求められ,「問題解決スキル」や「マネージメント能力・リーダーシップ」はあまり求められていないようです.
令和4年度に自己啓発を行った労働者の割合は労働者全体の34.4%で,20歳以降は,年齢とともに割合が下がっています.50歳~59歳で29.1%でした.自己啓発を行った者の半数にあたるところの,自己啓発を行った延べ時間は,年20時間未満でした.200時間以上行った人も5%前後います.一週間あたり3時間でしょうか.
労働者が自己啓発を行った理由は,「現在の仕事に必要な知識・能力を身につけるため」がもっとも多く,「将来の仕事やキャリアアップに備えて」が次点でした.
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