雨のち晴れ(Harpyia)

隕石が降ってきたらいいのにって願ってた。本当に呼び出そうとして丘に駆けあがってなけなしの灯を振り回したりもした。羽虫のもがく様。つられて存在しない翼をばたつかせる。数十年ぶりのスコールが来るなんて予報は当然のように外れて。相変わらず僕らは湖に沈んだナイフを探し続けている。気にしないで。それが貴女の身体から奪ってできたものなんて彼らは知るはずもないから。

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