学習障害・注意欠陥多動性障害(learning disorder /attention deficit hyperactivity disorder)

○特異的発達障害(specific developmental disorder)

　発達障害のうち、全体的な能力や機能は年齢相応であるにもかかわらず、 読み書きや運動など部分的な能力や機能で著しい遅れが見られる障害。
　脳の機能障害であり、男子に多い。

○学習障害

　全般的な知的能力に遅れはないが、読む・聞く・話す・書く・計算する・推論するなど、ある特定の学習能力に著しい困難を示す障害。

○注意欠陥多動性障害

　不注意(inattention)・多動(hyperactivity)・ 衝動性(impulsivity)の3つの特徴が同年齢の子どもと比較して顕著である障害。
　7歳以下に始まり、家庭や学校など複数の場で認められ、社会生活に支障が生じている場合に診断される。
　多動性、衝動性は成長とともに次第に落ち着くが、不注意は変化しにくい。
　余計な刺激を取り除き、ルールや指示をわかりやすくするなど環境や関わり方の工夫が必要。
　多動や衝動性を押さえる薬物療法による援助が行われるが、副作用が報告されている。
　並行して行動療法を用いて、適応行動を学習させていく。
　日常的にLD児やADHD児は失敗体験が多く劣等感を抱きやすいため、親への心理教育や教師へのコンサルテーションによる十分な理解を得る必要がある。

○反抗挑戦性障害

　周囲に対して挑戦的で反抗的な行動を当然のごとく行う障害。
　ADHD児は9歳頃から伴発する者が多い。
　さらに問題が深刻になると、万引きや暴力など反社会的行為をなす素行障害(conduct disorder)に発展するおそれがある。