科学的管理法(scientific management)
○科学的管理法
テイラー(Taylor、F.W.)によって提唱された。
労働者の怠業を防ぎ、工員および機械が最大の生産力を発揮することを目指した経営管理論。
無理、無駄、ムラのない標準管理方式が追求され、高能率と高賃金を実現するさまざまな刺激賃金制度が考え出された。
○時間研究
工程ごとに標準的な作業時間を定める
○動作研究
作業目的に照らして無駄な動作を排し、最適な動作を定める
○工具の標準化
○差別的出来高賃金
達成の度合いにより作業単価が変化する
適切な報酬で意欲を刺激し、仕事の手順やフォーマルな組織体系を確立し、物理的な条件を整えれば、労働者の生産性を最大化できると考えられた。
○ホーソン研究(Hawthorne study)
メイヨー(Mayo、G.H.)やレスリスバーガー(Roethlisberger, F.J.)らを中心に1924年から1932年にかけてシカゴのウェスタン・エレクトリック社のホーソン工場で行われた研究。
職場の物理的環境要因が労働者の生産性に直接的な影響をもたらすことが仮定された。
実験では、照明の明るさや室内の温度、睡眠時間、休憩時間などの条件を変化させたが、生産性との直接的な因果関係はなかった。
物理的環境要因よりもむしろ、同僚や上司との良好な関係、仲間との一体感、職場内の非公式な仲間集団などの社会的、人間関係的要因が生産性や動機づけに大きく影響することが明らかになった。
これが契機となって、人間がもつ社会的欲求の充足を重視する人間関係論(human relations theory)と呼ばれる管理技法が発展した。